一心になる秘訣
一心になろうとすれば、一つは上にあり、もう一つは下にあるという状況ではできません。父が上にいて、息子娘は下にいる、それでは一心になれないのです。同等な立場で平面的に位置してこそ、一心になれるのです。内的・外的関係が平面線上の位置に立って、初めて一心になれるのです。
夫婦も同じです。横的関係において内外関係、前後関係の位置に立ってこそ一心になれるのであって、上下関係では絶対に一心になれません。
(文鮮明先生『後天時代の生活信仰』p.44)
授受作用の原理は、原則を生活化する際に、もっとも重要な原理と言ってもいいと思います。
授受作用の目的は、お互いが一つになることによって、より次元の高い喜びを感じることです。
ところが、文先生は、
「上下関係では絶対に一心になれません」
と言われます。
これは非常に重要なポイントのように思われるので、少し掘り下げてみます。
例えば、親と子が授受作用で互いに愛を感じ合うためには、上下関係ではだめなので、同じ高さの水平関係になる必要があります。
血統的に見れば、親子は上下関係です。
しかしそのままでは一つになることができません。
一つになろうとすれば、
「俺は親だ」
と言って、上から目線で接するのではなく、同等の水平関係に降りていくしかないのです。
米国人が好きな
「Footprints」
という宗教詩があります。
一人の信仰者が人生という砂浜を歩いてくる後ろに、足跡が残っています。
平常時には2人の足跡が並んでいるのは、神様(イエス様)がともに歩いていてくださっていたことを物語っています。
ところが、人生の最も苦しい時には、なぜか足跡が1人になっているのです。
それで彼は神様を恨めしく思って、
「主よ、あなたは私が最も苦しい時に、どうして私を見捨てていかれたのですか?」
と責めると、神様は、
「苦しかった時の足跡は、お前のものではない。私の足跡だ。その時、私がお前を背負って歩いたのだ」
と答えられます。
親なる神様が人間の上におられるのではなく、むしろ下に回って背負ってくださるという話です。
この時に人は神様の愛を感じるでしょう。
これが一心になる授受作用の秘訣です。
私たちが子どもの上に居座る親の位置に留まると、子どもの考え方や行動を力づくで変えようとしやすくなります。
例えば、子どもがゲームばかりして勉強をしない。
すると、親は心配とイライラが混在した気持ちで、
「ゲームばかりしないで、勉強もしなさい。試験も近いでしょ。良い高校にも入れませんよ」
と頭ごなしに叱りつけたり、脅したりしがちです。
しかしこれは、子どものためにしているようでありながら、実のところ、親自身のイライラや不安を解消しようとして、自分の思いを子どもにぶつけているという場合がないと言えるでしょうか。
親が子どもと同じ高さに降りて授受作用するというのは、子どもの行動を外側から変えようとするのではなく、内側から変えることです。
それはまず、子どもと同じ位置から、子供の気持ちを分かろう(共感)とすることなのです。
「子どもはなぜ勉強ができないのか?」
「子どもはなぜゲームを止められないのか?」
このような姿勢で子どもに対していくときに、子どもは親の親身な愛を感じるでしょう。
ここに、授受作用の3原則を見出すことができます。
① 信じる
子ども自身の中に良く変わっていく力が潜在していると信じること
② 自分の心を開く
親自身のイライラや不安をごまかさず、素直な心で子どもと向き合うこと
③ 共感的に理解する
子どもの行動ではなく、その気持を理解しようとすること
この3つが授受作用の原点にあってこそ、親の愛が子どもに届くようになります。
もちろんこれは、親子関係に限らず、夫婦の関係など、いかなる関係においても通じる原則です。
よろしければ1クリック!

にほんブログ村
- 関連記事
-
-
物語を書き換へる②「誰が私に苦痛を与へるのか」 2021/05/20
-
信仰とは何だろう 2012/05/11
-
知ること、信じること、そして感謝 2015/11/26
-
立体的な存在をめざす 2011/07/12
-
スポンサーサイト