檀君神話を読み解く
文鮮明先生の講演文に「弘益人間」という言葉が出てきます。
「広く人間世界に利益を与えること」
と注釈がついています。
韓国の檀君神話について調べていると、その中にこの言葉が出ていることを知りました。
天の神であるファンインがその息子ファンウン に、
「地上に下りて住み、住みやすい人間世界を作るよう助けなさい」
と命じます。
その時の建国理念が「弘益人間」というものだったのです。
ところが、おかしなことに、ファンウンは人間を相手にせず、熊と虎に関わるのです。
2匹の禽獣はなぜか、人間になりたいとファンウンに懇願します。
そこで、彼は「にんにく」と「よもぎ」を渡し、100日間日を浴びないで、にんにくとよもぎだけを食べて過ごせと指示します。
2匹とも人間になりたい一心でその指示に従い、洞窟の生活を始めますが、虎は耐え切れず、途中で洞窟を飛び出し、人間になることを諦めてしまいます。
一方、熊は耐え続け、20日を越えて、21日目に見事、人間の女に変わったのです。
熊女(ウンニョ)はファンウンに感謝しながらも、
「仲間がいないのは寂しい。神檀樹の下で子どもを生ませてほしい」
と懇願します。
彼女の祈りに心を打たれたファウンは彼女を妻として迎え入れ、一男をもうけます。
彼が「檀君」と名づけられ、韓国の始祖となるのです。
神話というのは単なる人間の創話ではなく、何らかの神意が働いていると思うのですが、檀君神話の意味は一体何だろうと、長い間不審に思っていました。
聖書に出てくるエデンの園の物語ともずいぶん違い、共通点が見出せません。
ところが先日、我が教区の教区長がこの神話を取り上げて解説されるのを聞き、「なるほど!」と膝を打ったことがあります。
この神話は、聖書の物語とは反対に、人類歴史の始原ではなく、終末に関する物語だと考えると、深い意味が浮かび上がってくるのです。
この物語の世界には、すでに人間が存在しています。
それは堕落世界です。
天はその堕落人間たちに利益をもたらしてやりなさいと命じるのですが、物語の主役は無知蒙昧な人間たちではなく、禽獣である熊なのです。
熊は自分が神に遠いみすぼらしい姿であることを自覚しています。
だからこそ、苦難を覚悟して本当の人間になりたいと願うのです。
その念願を成就するために、日も浴びず、にんにくとよもぎを21日間食べ続けます。
その結果、人間になった熊女は、ある意味で、既存の人間たちよりも、もっと人間らしい人間です。
厳しい蕩減路程を越えて、堕落世界の中から再創造された人間を意味します。
その熊女を妻に迎えて、天の息子が結婚する。
これはまさに、神様の復帰摂理の最後のゴールそのものではないでしょうか。
聖書の創世記は人間の始原、堕落の秘密を暗示し、檀君神話は堕落世界の最終復帰を暗示する。
2つの物語はセットでぴたりと復帰摂理を完結させているのです。
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