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まるくまーる(旧・教育部長の講義日記)

TPPにおける自由と公正

2011/11/09
世の中を看る 1
TPP 

今や日本のトップニュースになった「TPP」。
150年前の黒船を連想させるような状況で、国論はまさに賛否に分裂しています。

かなり多面的な問題なので、関心は持ちながらも素人には判断がつきかねる複雑なテーマだと感じてきましたが、最近の私は慎重論に傾いています。

ネット上にも相当数のサイトがこの問題を論じていますが、その中でも以下のサイトがとても参考になりました。(すべて反対派に属します)

「TPP」とは一体何か? 国家戦略室の資料を読めば問題点がわかる
TPPは全世界で反対されている、自由貿易ではなく公正貿易が必要
アメリカで「TPP」を推進して米政府を操る黒幕たちの正体
若葉マークのやさしいニュース/ TPPは怖い!

TPPは24の分野にも及んでいるので、論点は多岐にわたります。
詳しい内容は、上記のサイトを参考にしていただくとして、その中で、私なりに最も核心的ではないかと思われる点だけをまとめてみようと思います。

最も核心的な点は、TPP問題は「日本vs米国」のような国対国の問題ではない、ということです。

端的に言って、日本がTPPで相手にするのは米国ではなく、米国政府を裏から動かす「多国籍企業群」と言うのが正しいようです。

「多国籍」ということは言い方を換えれば、特定の国籍がない、ということです。
したがって、多国籍企業はどの国のどの国民の利益にも関心がない。
関心があるのでは、ただ自分の企業の利益です。

彼らが求めるのは、国ごとの規制を緩和し、障壁を限りなくゼロに近づけた「自由貿易」です。
自由というと響きは良いのですが、経済的、政治的に格段の力の差がある国同士での自由は、現実的にはいくらでも「不公正」になり得ます。

オバマ 

池田信夫氏のような新自由主義者は、
自由貿易で滅んだ国はないし、保護貿易で栄えた国もない
と言います。

しかしその一方では、アフリカなどを例に考えれば、
自由貿易を行なって栄えた国はない
とも言えるでしょう。

それで、貿易に求めるべきは「自由」ではなく、「公正」だということになると思います。

しかし、今や日本は、「公正」な交渉も途中脱退もほぼ不可能に近い「TPPというテーブル」に、自ら進んで就こうとしているように見えるのです。

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Comments 1

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Watcher

自由貿易とは

>「自由貿易を行なって栄えた国はない」

この言葉は正しくありません。ここでいう、“自由貿易”とは、正確に言えば、「国の経済力に見合った、関税障壁や輸入制限による保護がなされていない状態での自由貿易」のことであると解釈すべきです。

他ならぬ我が国は、GATTによる自由貿易体制の下で高度経済成長を達成し、世界第2位の経済大国となったことは周知の事実でしょう。具体的には、1955年にGATT12条国(関税や輸入数量の制限あり)に認定され、さらに1963年にはGATT11条国(関税はあるが輸入および輸出量に制限なし)に認定されました。その結果、日本の牽引役である輸出産業が発展して経済大国となりました。

このことは、我が国が上記の意味における“自由貿易”の恩恵を享受することができたことを意味するものです。違いますか?

2011/11/13 (Sun) 13:17