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まるくまーる(旧・教育部長の講義日記)

将棋の三礼

2011/09/05
読書三昧 0
羽生 

このところ、子どもたちの間で将棋がブームになっているそうです。
そして、この将棋を教育の一環として積極的に取り入れる動きもあります。

将棋をやってる子供は、なぜ「伸びしろ」が大きいのか? 』を書いた日本将棋連盟学校教育アドバイザー、安次嶺隆幸氏によると、将棋のいいところは「3つの礼」があるところだそうです。

最初は、まず駒を並べて相手と向き合い、
お願いします
と礼をする。

対局が始まると、双方無言で、パチンという駒の音だけが響く。
人は喋らないが、駒が喋っている。

対局の最後に人が発する言葉が、
負けました
というものです。

自分が負けたことを相手に宣言する。
そういうことを言うゲームは他にないかも知れません。

勝負がつくと、「感想戦」というものをします。
ゲームを巻き戻して、
「ここでこうすれば勝てたよ」
などと2人で振り返るのです。

そこで、対局者は仲間になります。

感想戦が終わると、最後に相互が、
ありがとうございます
と挨拶します。

このように、将棋は礼に始まり、礼に終わるのです。

この他にも、将棋にはいろいろな利点があります。

自分で考え、自分で決断する」ことを学びます。
誰の手助けもなく、すべてが自己責任です。

子どもがこのように取り組むのですから、応援にきた父母も、
「○○ちゃん、がんばって!」
などと声援を送ることはできません。
遠巻きに黙って「無言の応援」をするしかないのです。

まさに「見守る」のです。

もう一つ、
気持ちを折りたたむ
という内面的な作業も重要です。

「負けました」というのは、言いやすい言葉ではありません。
悔しさや泣きたい気持ちを我慢して「負けました」と言って、どこが悪かったのか相手に教えてもらう。

ここを越えるには、内面の葛藤を整理しなければなりません。

相手は勝ったのですから、自分にないものを持っている。
それを教えてもらいながら、相手も、
「ぼくも苦しかった。こうすれば君が勝てたよ」
「ああ、そうだったのか。ぼくもこんな気持ちだったんだ」
と、自分の気持を振り返ることができる。

感想戦とは、このように、
「自分の気持ちを折りたたむ」
ことなのです。

羽生善治名人は、一局対戦すると、大体相手の性格や考え方が分かるそうです。
そのように相手と向き合いながら、結局は自分自身と深く、静かに向き合っていると言えます。

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