学校の中に花がない
今年1年、娘の中学校のPTA役員を仰せつかっている関係から、第59回日本PTA全国研究大会に参加してきました。
第8分科会「健康安全」です。
午前中の講演者は、教育・食育アドバイザーの大塚貢氏。
長野県の中学校長時代に、給食のメニューを和食中心に変えることなどによって、荒れた学校の状況を劇的に変えていったという実績の持ち主です。
学内の煙草の吸殻が皆無になった。
不登校が劇的に減った。
万引事件がほとんどなくなった・・・
その体験から、伝統的な日本食、ご飯、味噌汁、豆を中心とした食事形態が最も良いという信念を持っておられるようです。
午後のパネルディスカッションのコーディネーターを務められた安岡富士子氏(NPO法人日本総合医学会副理事長)も、基本的に同じ思想の持ち主でした。
肉食過多は弊害が大きい。
牛乳は基本的に必要ない。
玄米の素晴らしさを見直すべきだ・・・
私も確かに、味噌汁や納豆、魚介類のおかずなどは、健康のためにも脳のためにも良い食事であるということに賛成です。
ただし、子どもたちが変わっていく(正常に戻っていく)のは、食事だけで説明できるものではないでしょう。
それについて、大塚氏はパネルディスカッションの中で、こういう独自的な視点を披露されました。
平成9年、神戸で酒鬼薔薇猟奇事件が発生しました。
酒鬼薔薇と名乗る少年が、小学校の女の子の首を切断し、頭を学校の校門に掲げたという、信じられないような事件です。
続く平成16年には、長崎の小学校の女の子がメールのやり取りの怒りから、同級生をナイフで刺殺するという事件が起きました。
その後にも、似たような猟奇的な事件が少年少女たちによって引き起こされて来ています。
そういう子どもたちの通っていた学校を大塚氏は丹念に観察しました。
そして、ある一つの特徴的な共通点を発見するのです。
それは、学校の中に花がほとんどない、ということです。
神戸の学校では、事件直後の写真に学校玄関あたりに散乱するプランターの花々がすべて枯れている様子が写っています。
長崎の小学校も、ほぼ同様な感じです。
中には、「廃校」ではないか、というような印象を与える学校もあります。
それらを見ながら、大塚氏は、
「学校の中に潤いがない。花がなくても、だれもそれを気にかけていない」
と指摘するのです。
これは、心ですね。
心と食事。
この2つが敏感な子どもたちに想像以上の影響を与えている。
そう考えても、大きな間違いではなさそうです。
これは、言うまでもなく、単に学校だけの問題ではありません。
子どもたちが最も憩うべき家庭においてこそ、もっと深刻な問題です。
朝、夜の食事はどうか。
家の周りに花はどれほどあるか。
そして、父母が子どもに言う言葉はどうか。
そういうことについて、改めて振り返り、自省する機会となりました。
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