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まるくまーる(旧・教育部長の講義日記)

聞き上手は評論家に勝る

2009/11/19
訓読三昧 5
文鮮明先生
クラゲ


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「私は本当に人の話を聞くのが好きです。誰であろうと自分の話をし始めると、時のたつのも忘れて聞くようになります。10時間、20時間と拒まずに聞きます。話そうとする人の心は緊迫していて、自分を救ってくれる太い綱を探し求めるのです。
そうであるならば、私たちは真心を込めて聞かなければなりません。 嘘偽りなく心を尽くして人の話を聞いてあげるように、私自身の真実の心の内も真摯に話してあげました。そして、涙を流してお祈りしました」
(文鮮明先生自叙伝『平和を愛する世界人として』p.150)

文先生が壇上に立って説教されるときは、5時間以上、10時間以上話し続けられることがあります。
しかし一旦聞く側に回られると、これも徹底して聞かれる方です。
10時間、20時間も聞けば、話し手はもう話すこともなくなります。
そうすれば、今度は反対に、文先生の言うことは何でも聞くようになるというわけです。

対話というのは、当然「話す側」と「聞く側」とが相(あい)対して成り立ちます。
ところでたいていの人は、聞くよりも話すほうを好むようです。
自分の思いを話したい人は多いのに、それを聞いてくれる人は少ない。
それで、人の話を親身に聞いてくれる人がいれば、とても有難がられるということになるのです。

しかし、人の話を聞くというのも、ただ聞けばいいというわけでもないので、簡単ではありません。

プロのカウンセラー、東山
紘久氏が『聞く技術』の中で、日常的な会話の中でも有効な聞く技術について教えてくれています。
参考になりそうなポイントをいくつか紹介します。

① 素直に聞く。(反論しない)
相づち以外はしゃべらない。意見を聞かれたら、1行以内で答える。

② 相づち一つで、会話を深めることも日常会話に留めることもできる。
聞き出そうとすると、話し手は警戒し始め、本音が出なくなる。

③ 子育て、部下育てには、聞き手モードが効果的。
最良の心のケアは、ひたすら聞いてあげること。

④ 聞き手は話し手より偉くはないと自覚すべし。
じっくり話を聞き、人格と乖離した助言を避け、話し手が自分で人生の知恵を見出すように助ける。

⑤ 共感的に聞く。
共感とは、相手の気持ちで話を聞くこと。自分の気持ちで聞くと、話し手とズレが生じる。

⑥ オープンであること。
嘘をつかない。飾らない。

⑦ 評論家にならない。
評論家とは、相手の話を聞かず、あるいは否定的に聞き、自分の話だけをする。それがたとえ正論であっても、相手を否定することに変わりはない。

⑧ ask ではなく、listen する。
ask は質問者の意図に沿うことであり、listen は話し手の意図に沿うこと。ask 過多になると、質問者の望む情報ばかりを集めることになり、話し手の本音がつかめないことがある。

この本を読んでみて、私は、
「上手に聞くこと」
のパワーを認識しました。
うまく聞くことは、下手に意見するよりも、よほど相手に対する大きな影響を与えることができる、と思いました。

さっそく娘との対話にこのアドバイスを生かしてみると、これはかなり大きな効果があることが分かりました。
女の子というのは、とにかく今日あった出来事を事細かく話してくるものです。
その時、私はひたすら聞き手に徹し、タイミングを考えながら相づちを打ち、下手な意見やアドバイスを差し挟まないようにします。
ほとんど、ただ聞くだけです。

しかし、これが娘にとってはものすごくいいようです。
「お父さんは私の話を決して否定したり、評価したりせずに聞いてくれる、良い聞き手だ」
ということが分かってくると、娘はそれまでよりもよほど頻繁に私を聞き手として求めてくるようになりました。

友達関係などの悩みに私の視点からアドバイスらしきものをしても、どうせ娘にとって大した役には立ちません。
娘の抱える問題は、本人が考えながら、気がつきながら解決していくものだと思います。

私たちはさまざまな相手との会話で、いつの間にか評論家になっていることがどれほど多いでしょうか。
意識的に、話すことを3、聞くことを7くらいにするように心がけてみたら良いように思います。



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Comments 5

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ひろちゃん

聞き手の難しさ

初めまして教育部長さん。人は話したがる人が多いですね、聞いている私もつい相手の話しを折ってしまうところがありマズカッタナなんて後から思ってしまうことがあります。会話は対話ですよね、聞く方は神様のように親と同じ立場に立って対することが必要だと思います。特に本質的な話しほど包み込むような愛情をもたなければいけないなと思います、昔に桜井節子先生がお父様とお会いしたときにお父様は桜井先生の話しを聞くために私は存在しているのだと言わんばかりに聞いてくれたそうです。確かその瞬間に自分の心の父親という席にお父様が座られたのを感じたと桜井先生が証ししていたと思います、上手に相手の話を聞いてあげることは私はあなたを100%受け入れてあげることなのだと思います。神様も父母様も私達の本心=良心からの話を聞きたがっているのでは・・・・、そして対話をしたいと思っているかもしれないですね。神様に祈れない私が言うのも申し訳ないかぎりですがそう思いました。

2009/11/19 (Thu) 12:53

日韓太郎

「聞く」ことの大切さを学びました。よく聞いてあげ、理解してあげる、向き合い、分かち合う、より良い人間関係を築こうと思うなら、誰もが持たなくてはならない基本的な姿勢が、相手の話しをよく「聞く」ことであると思います。しかし、「聞く」ことは、優しいことではなく、特に、聞きづらい話、自分を否定する話、自分が大切にしている人や家庭、グループへの批判、不平不満など、耳を塞ぎたくなる話を聞く時、その話をよくも聞かずに遮り、弁明、意見、否定をしてしまう、そんな「聞く」行為を放棄する失敗は、よくありがちな話です。そのような「聞く」耳を持たない人に、再び心を開いて、話をしたいとは思わなくなるのも人間です。よく「聞く」ためには、相手の立場に立って、謙遜な心で、尊敬心を持って、耳を傾け、共感しあげる、受け止めてあげる、それが話し手の心を開かせ、話しを心置きなくさせてあげる秘法なのだと思いました。実践したいと思います。ありがとうございました…m(_ _)m

2009/11/19 (Thu) 14:22

管理人kitasendo

日韓太郎さん、ひろちゃんさんへ

コメント、ありがとうございます。
それぞれのコメントで、私もより深く考えることができました。
人の話をじっくり聞くことも、また一つの修行のようですね。

2009/11/19 (Thu) 17:26

しまね K K

聞き上手は評論家に勝るを読んで

なをるほどと拝読いたしました。ひたすら聞いてあげること そしてあいずちの打ち方も大切とか それには相手の心の中に入らないと出来ないことですね。私は人生の大半で 職場の人 家族 兄弟などの話は 自分の気持ちで聞いて批判したり 反論したり 下手な意見を偉そうに言って来ました。沢山な人を傷つけてきていると思いました。残りの人生を 謙虚な心で 相手の気持ちに沿って 聞き上手になる努力をしたいと思いました。それが神様の愛ですね。

2009/11/20 (Fri) 20:59

管理人kitasendo

Re: 聞き上手は評論家に勝るを読んで

今まで自分のとってきた態度が一体どんなものであったのかに「気づくこと」。
これができれば、自分が変わることの半分以上はできたことになるように思いますね。
気づくことはとても重要です。

2009/11/20 (Fri) 22:46