イエス様の間接主管圏
統一原理を解説した『原理講論』の「キリスト論」の中に、創造目的を完成した人間の価値を論じた部分があります。
本来の意味合いからすれば、「創造原理」の中に入るべき内容だと思いますが、ともかく、3つの観点から論じています。
① 神のような価値
② 唯一無二の価値
③ 天宙的な価値
このような価値を論じた上で、実はイエス様にもこれらの価値があると指摘します。
なぜなら、イエス様はあくまでも一人の人間であり、かつ、創造目的を完成した男性だと見做すからです。
そのイエス様と堕落人間との間の違いについても、いくつかの点を挙げています。
① 堕落した人間は、自分より低級に創造された天使を仰ぎ見る程度の卑しい立場に落ちてしまった。
それに対して、イエス様は創造目的を完成した人間としての価値をみな備えておられるので、天使をはじめ、すべての被造世界を主管する資格をもっておられた。
② 堕落人間には原罪があるので、サタンの侵入できる条件がそのまま残っている。
それに対して、イエス様には原罪がないので、サタンが侵入できる何らの条件もない。
③ 堕落人間は、神のみ旨とその心情を知ることができない。たとえ知ったとしても、それはごく部分的なものにすぎない。
それに対して、イエス様は、神のみ旨を完全に知っておられるとともに、その心情をも完全に体恤した立場において生活しておられるのである。
創造原理によると、人間が成長・完成していく道程には、大きく2つの段階があります。
第一は、間接主管圏。
第二は、直接主管圏。
人間が、自身の責任分担を完遂し、神の創造性を受け継ぐことによって、天使をはじめ、万物に対する主管性をもつようになったとき、初めて完成するようになさるために、神は間接主管圏をおいて、人間を創造されたのである。 |
責任分担を果たして間接主管圏を越えた人間は、2つの内容を達成することが分かります。
一つは「神の創造性を受け継ぐ」ことであり、もう一つは「万物に対する主管性をもつ」ことです。
そのような境地に到達した上で、さらに人間は直接主管圏に入るようになります。
アダムとエバが完成して(=間接主管権を通過して)合性一体化し、家庭的四位基台を造成(=結婚して夫婦となり子女を産み育て)することによって、神と心情において一体となり、神を中心としたアダムの意のままに、お互いに愛と美を完全に授受する善の生活をする。 |
ここから、直接主管圏に入るための絶対条件は「家庭的四位基台」を造成することだということが分かります。
それと同時に、イエス様が到達された基準は間接主管圏を通過・完成した基準だと言えるように思われます。
とすれば、我々も間接主管圏を通過すれば、上に挙げた3つの内容をすべて備えることができるようになるはずです。
すなわち、
① 天使を含めた被造世界に対する主管権をもつ。
② サタン侵入の条件が全くない。
③ 神のみ旨を完全に知り、神の心情を完全に体恤する。
しかし、3番目の「神の心情を完全に体恤する」というのは、果たしてどうでしょうか?
直接主管圏の説明の中に、
「家庭的四位基台を造成することによって、神と心情において一体となり」
とあります。
独身では分からない、家庭を持って子女を育ってみないと分からない心情がある。
その心情が分からないと、神の心情と完全に通じない。
間接主管圏、直接主管圏という概念は、今なお私にとって難解なものですが、後天時代を生きる私たちにとって重要なポイントだという気がします。
今後とも、少しづつ思索を深めていきたいと思っています。
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