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まるくまーる(旧・教育部長の講義日記)

情緒の色合い

2010/10/27
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紅葉  

この秋はじめて中国山地を越える道を車で往復すると、まだ10月末だというのに、すでに峠のあたりではずいぶんと紅葉がすすんでいて、目を楽しませてくれました。
夏は猛暑でしたが、10月に入り、ここ1週間ほどは急に冷え込んできたので、木々の葉っぱたちは一気に色づいたのかも知れません。

1時間近くこういう景色の中を走りながら、久しぶりに心がぼーっとする時間をもちました。

深紅、赤、だいだい、黄色・・・
微妙に変化する木々の色合いを眺めながら、「情緒」という言葉を思い出しました。

ふつうには「思い」とか「気持ち」というような意味で使う言葉ですが、数学者の故岡潔博士は「情緒」を定義して、「人間の核」だと言われました。
そしてその情緒は、人それぞれに色合いが違うのだと言うのです。

ある人の態度、言葉遣い、行動パターン、興味関心など、表に現れるすべてのものは、その人の内面の核としてあるところの「情緒」の現れだと言えます。

私たち人間も山の木々のように、さまざまな色合いをもって生きているのです。
時として過激な真っ赤に変わる人もいれば、づーっと変わらず平静な緑のままの人もいるでしょう。

私たちは人と付き合い、自分なりにその人を評価するときに、ふつうはその人の能力だとか人柄だとかを基準にするものです。
しかしそれらのもとは、その人の内面の奥深くにある情緒の色合いです。

色合いは、どれかが優れ、どれかが劣っているということはありません。
金子みすゞの詩ではありませんが、
「みんな違って、みんないい」
です。

それを認めることもまた、情緒の働きです。

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