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まるくまーる(旧・教育部長の講義日記)

人生がフリーズしたとき

2022/07/20
読書三昧 0
フリーズ

本来の自分を生きるには、違うことをしないことが大切。
じゃあ「違うことをしない」って、どういうことなんでしょうね。
「したいことをする」っていうのとすごく似てるけど、微妙に違うんですよ。言葉で説明するのがちょっと難しいのですが、ヘンに力が入ったり、ちょっとでも圧がある感じがあったら、「あ、こういうことじゃないな」と思ってください。
(『
「違うこと」をしないこと』吉本ばなな)

吉本ばななさんは有名な小説家だが、彼女の作品は、正直あまり読んだことがない。雑誌か何かで短文を読んだり、エッセイを拾ひ読みしたり、その程度。

有名な思想家、吉本隆明の娘さんで、デビューするや否や小説が飛ぶやうに売れまくつたさうです。子どものころから自分の中にもう一人の自分のやうな人がゐて、その人はあまりに純粋で繊細なので、折り合ひをつけて生きるのがとても難しかつたと言ひます。

今回、思ひがけないいきさつで、彼女の『「違うことを」しないこと』といふ本を読むことになつた。この本で言はうとしてゐることは、いかにも吉本さんらしい。

「違うこと」とは、どんなことか。

例へば、知り合ひから何かお誘ひがあつたときに、
「なんとなく気が進まないな」
と思つたとする。

それでも、
「これは義理だから行つておかう」
とか
「いつか役に立つはず」
と自分に言ひ聞かせて行つてしまふ。

すると、これが「違うこと」になつてしまふといふのです。

「なんとなく気が進まないな」といふのは体感です。しかしそれでは断る理由にならないと思ふから、頭でもつともらしい理由を考へ出して自分を納得させようとする。このとき、人は間違つてしまふといふのです。

頭を優先して「違うこと」をし続けると、どうなるか。軸がどんどんズレていき、どんどん苦しくなる。それでも無理をしてやり続けると、そのカルマを解消するために、まとめて寝込んだり、まとめて病気になつたりする。さういふことを吉本さん自身、何度も体験してきたといふ。

このことは、前回の記事「
体験の中のメッセージ」で書いたことと、ピタリ符合する。その記事で書いた通り、神も「観念」より「実感」を優先せよと言つてゐるのです。

頭で理解したところでは、我々は自分の「生心」(霊人体の中心部分)で神に通じてゐると思つてゐます。しかし、実際には「体」もきわめて神のバイブレーションに敏感のやうで、無意識の裡にそれを感じ取つてゐる。

同書の中で吉本さんが対談してゐる「宇宙マッサージ」師が、こんなことを言つてゐます。

コンピュータがフリーズしたら、再起動する。
人生もフリーズしたら、再起動する。フリーズは病気とか怪我とか。
フリーズは悪いことではなく、本来の初期設定に戻る再起動のチャンス。

人間の体は高性能パソコンのやうなもので、「0」と入力したら間違ひなく「0」と出力する。それはもう精密にできてゐます。だから、吉本さんの言ふ「違うこと」を無理やり続けてゐると、次第に体コンピュータはバグが溜まつてきて、ついにフリーズする。

フリーズしたら、どうするか。それまでの作業を一旦帳消しにして再起動をかける。さうすると溜まつたバグが一掃されて初期状態に戻る。だからフリーズは必ずしも悪いことではないのです。

体コンピュータのフリーズとはなにかと言ふと、それがケガや病気。それを人生の再起動のチャンスと捉へればいゝといふのです。

さう考へると、ケガにせよ病気にせよ、偶然にやつてくるのではない。これ以上バグが溜まつたら困つたことになる。こゝは一度再起動をかけて人生を初期設定に戻せ。さういふ神(宇宙と言つていゝ)からのメッセージだと考へられます。

再起動するとき、どんな初期設定に戻すのか。それも重要なポイントです。

それまでwindows10を使つてゐて、それを再起動すると最新のwindows11にアップグレードして初期設定されたとします。すると前とは違ふ機能が追加されたり、使いやすくなつたりするでせう。インターフェイスの見た目も違ふ。

人生の再起動もこれと同じで、再起動したときはそれまでとはどこか違ふ初期設定を自分で施すのがコツです。

前の生き方とはちよつと違ふ人生目標に入れ替へる。あるいは日々の生活の仕方に何らかの変化を加へる。

さうすれば、ケガや病気といふフリーズにも大きな意義が賦与されます。

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