「輪廻思想と復活論」人生の目的は何か①
人間は何度もこの世に生まれ変はるといふ思想を「輪廻転生」と呼びます。
この思想は仏教独自のものかと言ふと、さうではない。インドには仏教以前からあつた。また、インドのみならず、古代ギリシアやイスラム教の一部にも似たやうな思想が見られます。
このやうにかなり普遍的とも言へる輪廻転生思想を『原理講論』はその「復活論」の中で否定する。
しかし実際には輪廻転生に見える現象がしばしば経験されるではないか。さういふ反論に対しては、その真意を復活論的な観点から解釈し直してみせるのです。
輪廻思想と復活論の基本的な違ひは、どこにあるのか。
どちらにおいても、一度きりのこの世の人生で魂の目的を果たし切るのは難しいと考へる。そこで輪廻思想では、魂が何度も繰り返し生まれ変はりながら目的に向けて漸進する。
一方、復活論では生まれ変はりがない。そこで、死んであの世に行つた魂は、この世に霊的に戻り、生きてゐる他人の肉体に便乗する形で目的を達成しようとする。
このやうな輪廻思想と復活論のどちらが正しいのか。こゝではさういふ真偽の議論はさておく。
それよりもむしろ、両者の間に存在する極めて密接な共通点を探してみます。そのことによつて、結局我々の生きる目的は何かといふ人生の重大事がより鮮明に見えてくるやうに思ふのです。
「復活論」は復活の原則が4つあるといふ。
① 時代的な恵沢の上に立つてなされる
② 神のみ言葉を信じ、実践してなされる
③ 肉身生活を土台としてなされる
④ 3段階の秩序を経てなされる
そこで、この一つ一つについて、輪廻思想と並列に比較しながら見ていくことにしませう。

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