ダイエット原理講義
先日「栄養学原理講義」といふ記事を書いたあと、気がつくと、Youtubeに「栄養学」関連の動画がリコメンドで届くやうになつた。我知らずGoogleのAIに支配されてる感があります。しかし、これまで無縁だつた分野に出会ふ機会を得ると考へれば、ありがたい。
面白いなと思つて観てゐるのが、柏原ゆきよさんの「お米ダイエット」。
ダイエット(Diet)の原義は「日常の食事」といふこと。ところが現代日本でダイエットと言へば、ほぼ100%「痩せるための食事療法」と解されるでせう。
この意味でのダイエットは、思春期以降ほぼ体形の変化がない私にはまつたく無縁なのですが、「日常の食事」といふことなら結構関心がある。こゝではその意味で考へてみませう。
先日の記事では「原理講義」を「栄養学」に喩へて論じました。今回も私の関心は「ダイエット」と「原理講義」との類似性です。
柏原さんは大学で栄養学専攻に進み学んでみると、疑問が出てくる。
「栄養学の数字分析で、人は本当に健康になるだらうか」
これは「ダイエット=痩せる食事」といふ解釈になつてゐる現状と、その原因において相通じるところがあります。
元来正常なダイエットをしてゐれば我々の体は健康体になり、結果的に太り過ぎることはなく、スリムな体を得ることができる。ところが「痩せるダイエット」を願ふ人は、痩せるために「この食事は良い」「この食事は悪い」と考へる。
つまり、ダイエットを自分の体に聞かず、自分の頭に聞くのです。かういふ人の問題はどこにあるか。
人の体は個々別々、一人として同じ体を持つ人はゐない。ところが頭はすべての人を一律にして考へるのです。
頭は個々の違ひを無視して、あらゆる人に同一の原理を適用しようとする。しかし体は人によつてみな違ふから、その原理にうまく合ふ人もゐれば、うまく合はずに苦しむ人も出てくる。
ダイエットで考へると、腸内環境は人によつて千差万別。痩せるダイエットを繰り返して、痩せたと思つたらリバウンドした。それを繰り返してきた人は、この腸内環境が相当乱れてゐる。
正常なダイエットに取り組んでも、さういふ人は期待するやうな効果がすぐには出てこない。同じ量の努力をしても、出てくる結果には自ずと違ひがあるといふことです。
ダイエットを頭で考へる人は、原理通りに結果が出ない人を見て、
「原理に合はないのはおかしい。原理に合はせれば必ず痩せるはずだ」
と言ひたくなる。
あまり無理なく痩せる人も、
「どうしてあの人は痩せられないのだらう?」
と訝る。
なかなか痩せられない人本人も、
「どうして私は痩せられないのだらう? 自分はダメな人間だ」
と思つて落ち込んだりする。
体は人によつてみな違ふ。それを自覚する必要があると思はれます。
正しいダイエットの取り組み方はどんなものか。柏原さんのアドバイスに沿つてまとめてみませう。
① 個々の体はみな違ふといふことを自覚する。
原理としては、最強のエネルギー源はお米だといふ。しかし、それまで食べてきた食事の質によつて体の状態はみな違ふから、効果の出方、そのスピードは一律でないことを考慮する。
② 食物の栄養素は数字によつて評価できるが、人間のダイエットはそれだけで測れない。
数字は原理の一つであるが、人間の体はそれだけに従ふのではない。大切なのはむしろ、「喜んで食べること」。理想的には「食べたいものを、食べたいときに、食べたいだけ食べる」。そのためには、自分の体の声を正確に聴き取ることが必要です。
これを「原理講義」に沿つて言ひ直すと、「原理に無理やり私を従はせるといふ考へ方」から、「私の実情を見極め、それに合はせて原理を適用するといふ知恵」に軸足を移す。

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