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まるくまーる(旧・教育部長の講義日記)

私の良心に親しむ

2022/04/06
私の中の世界 0
キリスト教 仏教 原理講論
良心に親しむ

生心の要求のままに肉身が呼応し、生心が指向する目的に従って、肉身が動くようになれば、肉身は霊人体から生霊要素を受けて善化され、それに従って、肉身は良い生力要素を霊人体に与えることができて、霊人体は善のための正常的な成長をするようになるのである。
(『原理講論』創造原理 第6節)

昔馴染みの人に久しぶりに会へば、開口一番の挨拶はたいてい、
「昔とあまりお変はりありませんね」
といふか、あるいは逆に、
「見違へるやうですね」
といふかでせう。いづれにせよ、その変化は「肉身」の変化を言ふのです。

傍目には「肉身」の変化が見えやすいので、それを言ふのですが、私たちが本当に価値をおくのはそれではない。「霊人体の成長」といふ変化、ふつうには「魂の成長」とも言はれる変化こそ、我々が本当に願ふものです。

しかし、霊人体はどのやうに成長できるのか。『原理講論』では良い生力要素が必要だと言ふのですが、実際にはなかなか思ふにまかせない。

年月だけはたつても、あまり成長したやうな実感がないし、堕落性も昔のまゝあまり変はらないやうな気がする。どうしてでせうか。

霊人体成長の仕組みは、おおむね次のやうです。

① 真理が生心に悟りを与へる。
② その悟りに従つて生心が肉心に指示を与へる。
③ その指示に従つて肉心が肉体を動かす。
④ そのとき肉身で作られる生力要素が霊人体に送られる。
⑤ 生力要素を栄養素として霊人体が成長する。

これを見ると、成長の第一歩は真理が生心に働きかけることです。一体真理がどのやうに働きかけて生心が何を悟るのか。それを考へてみませう。

真理が生心に働きかけるとは、良心が私に語りかける良心作用のことだと思ふ。良心とは「第二の神」であり、「私のパーソナルな神」と言つてもいゝ。

しかしふつう「真理」といふと、キリスト教なら聖書、仏教なら仏典、イスラム教ならコーラン。さういふものの中に「真理」がある、あるいはそれ自体が「真理」だと考へてしまふ。

しかしそれらは、例へてみれば、教科書のやうなもの。広く誰にでも通じるやうに普遍的に表現されたものです。

それに対して良心とは家庭教師に当たる。唯一無二の私の事情に合はせて、その都度ごとに必要で的確なガイダンスを提示してくれる。それが私の良心だと思ふのです。

だから、真理について教科書で学ぶことは基本とした上で、日常生活の中で生心に直接働きかけてくれるのは私の良心である。教科書は脇に抱へながらも、生活は私の家庭教師と面と向かつて営む。さうしてこそ、私の生心が本当に刺激を受け、生きた悟りを得ることができるのではないか。さう思ひます。

そのやうに考へると、教科書を学ぶときとは違ふ姿勢を生心に持たせる必要があります。

少し比喩的に言へば、教科書が私の外側(目や耳)から真理を教へてくれるのに対して、家庭教師である良心は私の内側から語りかける。その声を聞きとる準備をしておく必要があるのです。

私の意識が外側を向いてゐるときには、良心は働きかけない。さういふときは私が他の人や環境に気を取られ、「世界の中の私」として生きてゐる。

私に何らかの苦痛や問題が生じると、その原因は私の外側、つまり誰か他の人や環境にあると考へてしまふ。
すると「あの人が問題だ。環境がおかしい」といふ発想になりやすい。それで、苦痛や問題を取り除くには外部状況を変へなくてはと考へるのです。

さういふときには、良心は黙つてゐる。あるいは黙つてゐないとしても、その声を聞きとることができない。

どうしたらいゝのでせうか。

まづ私の「肉身の声」に耳を傾ける必要があると思ふ。

例へば、何かの出来事があつて、私がイライラするとします。そのとき、私をイライラさせたと思はれる相手や環境を見ない。その代はり、「今、自分はイライラしてゐますよ」といふ肉身の声に意識を向けるのです。この肉身の声を、ふつうは「無意識」とも言ひます。

無意識である肉身の声は、
「イライラする真の原因は、私自身の中にありますよ」
と教へてくれるのです。

肉身のその教へを受け入れたとき、良心の声を聞く準備が整います。

あなたの良心がどのやうに語りかけてくれるか、それは分かりません。あなたの良心はあなただけの神であつて、私の良心ではない。家庭教師は彼が担当する生徒の素性と事情に特化して教へてくれるでせう。

しかしたいていの良心は、
「あなたの苦痛の原因は、あなたの外にはない。あなた自身の中に原因を探して、それを修正ないし浄化するのがよい」
と教へてくれるのではないかと思ふ。

このやうなガイドラインに沿つて対応してこそ、私の霊人体は善のための正常的な成長をするやうになるのだと思ふのです。

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