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まるくまーる(旧・教育部長の講義日記)

お経「雨ニモマケズ」

2021/10/17
胸に響く言葉 0
雨ニモマケズ

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラツテヰル
……
雨ニモマケズ』宮沢賢治

宮沢賢治が特に好きといふ訳ではなくても、上の「雨ニモマケズ」は日本人でほとんど知らない人はゐないでせう。もちろん全文を諳んじろと言はれると無理でも、最初の二行は諺に近いほど人口に膾炙してゐる。

今改めて読んでみると、これはほとんどお経だなと思ふ。

生活の指針が2つ示してあります。

一つは、
一日ニ玄米四合ト 味噌ト少シノ野菜ヲ食ベ
といふ食事に関するもの。

「一日ニ玄米四合」とは、腹八分目といふことです。その玄米のほかは、「味噌汁と少しの野菜」。極めて質素、小食です。これで、雨にも風にも雪にも暑さにも負けない丈夫な体を維持できる。

私はこゝまでの小食ではないが、しばらく前から梅干し、味噌汁、沢庵が毎食のベースになつた。これらのほかに魚か肉のタンパク質を摂るが、体調が良くなつたのを感じます。

もう一つは、
野原ノ松ノ林ノ陰ノ 小サナ萱ブキノ小屋ニヰテ
といふ住居に関するもの。

松の葉の先端からは、何かの強いエネルギーが出てゐるとも言はれる。そして萱ぶきの家は、日本によく適した建築です。夏は涼しく、冬は暖かい。

今風にアレンジする必要はあるが、
「松の林の萱ぶきの家」
は最も健康でゐられる場所を示唆してゐます。

生活指針のほかに、生き方の指針もあります。

欲ハナク、決シテ怒ラズ、イツモ静カニ笑ツテヰル
自分ヲ勘定ニ入レズニ、ヨク見聞キシ分カリ、ソシテ忘レズ

そしてもう一つ、行動の指針。

東ニ病気ノコドモアレバ  行ツテ看病シテヤル
西ニツカレタ母アレバ  行ツテソノ稲ノ束ヲ負フ
南ニ死ニサウナ人アレバ  行ツテ怖ガラナクテモイヽト言フ
北ニ喧嘩ヤ訴訟ガアレバ  ツマラナイカラヤメロト言フ

東西南北ですから、どこへでも行く。頼まれもしないのに訪ねて行くのはお節介にも見える。

特に、死にさうな人がゐれば、
「大丈夫、大丈夫。あなたは死んでも魂は生き続けるから」
と教へてあげるといふのです。

ところがそんなふうに、一生懸命人の為に動いても、結局は
デクノボート呼バレ、誉メラレモセズ、苦ニモサレナイ」。

サウイフ者ニ 私ハナリタイ
といふのですから、それが人生の目的です。

読めば読むほど、気づくことがある。立派なお経だなと思ひます。

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