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情報を消去する

kitasendo
情報を消去する

ビジネスの世界で今一番困ってゐるのは、情報をデリートする方法が分からない、ということです。つまり、ビジネスの中で問題を消去することが非常に難しくなっているのです。
(『豊かに成功するホ・オポノポノ』イハレアカラ・ヒューレン)

ビジネスは時代の変化に即応して新しい戦略を立て、生産計画、販売計画を立てていくのが成功のカギでせう。しかし実は、過去の情報をデリート(消去)することが、それ以上に重要だといふのです。

過去の情報が残つたままでいくら新しい戦略を立てようとしても、過去の情報が邪魔をする。だからまづその情報を消去すべきなのですが、このことはほとんど意識されないし、その方法も分からない。結果、力づくで前進しようと頑張つても、ビジネスは思ふやうに伸びていかない。

かつて世界を席巻した日本の大企業群が、このところ没落の道を辿つたり、復活しきれずに苦しんでゐる。その様子を見ると、まさに成功体験といふ過去の情報が呪縛となつてゐる感じがします。

過去の情報の消去が重要なのに、その方法が分からない。それはビジネスに限つた話ではありません。我々の人生もすべからずさうです。

人生でさまざまな事態に遭遇するとき、それをどう判断し、どう反応するかによつて、結果が蕩減条件になるか、逆に讒訴条件になるかが分かれます。その判断を左右するのが過去の情報なのです。

過去の情報は記憶として無意識に保存されてゐます。私が何らかの事態に遭遇したとき、それに関連した記憶が浮上してきます。そして私の判断に影響を及ぼすのです。

ところが問題は、どんな記憶が浮上してくるかが私に分からない。それは無意識の動きなので、私はそれが浮上したときに初めて意識できるだけなのです。

つまり、私は記憶の主管者ではない。むしろ下僕とでもいふべき立場です。だからおかしな記憶が作用すればおかしな判断をして、その結果、讒訴条件を作つてしまふ。それを止めやうがないのです。

聖書から、その一例を挙げて考へてみませう。

ノアの家族が大洪水を乗り越えて数百日ぶりに水の引いた陸地に着陸する。箱舟を出て家族は再び日常生活を再開します。

ブドウを栽培してゐたノアは、ある日ぶどう酒を飲み過ぎて、天幕の中で裸で寝てゐた。次男ハムがそれを見咎め、兄弟に告げて父の裸をブランケットで覆ふのです。

ところが目が覚めたノアは、これを掛けたのは誰かと問ひ詰め、ハムの長男の血筋を呪ひ始める。ハムの判断に何らかの問題があつたと推測されます。

「父が泥酔して裸で寝るなど、もつての他だ。みつともない。箱舟建造にはあれほど頑張つてゐた父が、なぜこんなに変はつてしまつたのだらう」

そんなふうな思ひがハムの頭の中を巡つたかも知れない。このときのハムの感情と判断は、どこから来たのか。過去の情報(記憶)でせう。

例へば、「裸が恥ずかしい」といふ思ひは、づつと遡ればアダムとエバに行き当たる。そして自分の感情で人を見るといふ性癖は、嫉妬から弟を殺したカインにその根を持つてゐる。

さういふ長年の過去の情報によつて、ハムの判断と行動は蕩減条件ではなく讒訴条件を作つてしまつた。

しかし私は、ハムをそんなに責める気にはなれないのです。これまでづつと立派だつた父が、年老いて酒浸りになりだらしなくなつた。それをどのやうに正しく判断したらいいのでせう。

これはちょつと極端な例かも知れない。しかしこの緊迫感をもう少し薄めたやうな出来事は、我々の日常にも頻繁に起こり得るでせう。そのとき、我々がいつも正しく判断できるといふ保証は、残念ながら何もない。

原理講論』で「堕落性」と呼ぶものは、アダムとエバ以来人類が蓄積してきた感情や思ひ、行動などの「情報」だと言へさうに思ひます。それが私の無意識から立ち上がつてきたとき、私は否応なくおかしな(堕落性的な)判断をして、讒訴条件を作つてしまふのです。

すると、「堕落性を脱ぐ」とは「過去の情報を消去する」と言つてもいゝ。そのすべてとは言へなくても、少なくとも第一歩にはなるでせう。過去の情報がなければ、それだけ本来あるべき「本性による正しい判断」ができる可能性が出てきます。

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