家内安全、商売繁盛は願つたはうがいいのか
天が百を与えようとするのに、私たち人間が自分の考えや自己主張、自分の欲望を中心として受けようとすれば、百を満たせる場が生じません。 自分の欲望があり、希望があれば、それが八十、七十、六十、五十になるというのです。ですから、百をみな受けることができません。 (『天聖経』8-2-1-15) |
今年の正月はコロナ禍のせいで、我が町を代表する神社の参拝者も例年に比べて随分まばらでした。日本全国どこでも似たやうな状況でせう。
神社に行くと本殿の前に立つて賽銭箱に賽銭を投げ入れて、心にある新しい年への願ひを申し述べる。「家内安全」「商売繁盛」をはじめとして、それぞれの願ひがそれに続く。
ところが、冒頭のみ言葉に照らすと、自分の希望が多ければ多いほど、天が与へようとする恵みが減つてしまふやうです。
自分の願ひが10なら、天の恵みは90。自分の願ひが50なら、天の恵みは50です。私が100の恵みを受けようとするなら、自分の希望も欲望もゼロにしなければならない。
それにしても、家内安全や商売繁盛、あるいは良い結婚相手に会へますやうにと願ふことがまづいのでせうか。まづいとすれば、それの一体どこがまづいのか。
引き寄せの法則でも潜在意識の活用法でも、
「願ひなさい、強く願へば願ふほど、願ひが叶ふ可能性は高くなる」
と言ひます。
実際その方法で願ひが叶つたといふ体験談は無数にある。例へば、『こころのチキンスープ』がミリオンセラーになつたジャック・キャンフィールドは、売れない作家時代にこの方法を使つたと言はれます。
鳴かず飛ばずの頃から、書いた本がベストセラーになつて10万ドルの印税が入るといふイメージを潜在意識に焼きつけようとした。そのために、手作りの10万ドル小切手を作つて、部屋の壁に貼りつけ、それを毎日眺め続けた。すると間もなくして、本がベストセラーになり、最初に受け取つた印税小切手がきつかり10万ドルだつた。絵に描いたやうな成功譚です。
力を貸してくれたのが潜在意識なのか天なのかは分かりませんが、これが本当なら凄いではありませんか。
強く願へば、私は天をも動かすことができる。逆に、多くの人の願ひが思ふやうに叶はないのは、願ふ強さが足りないからではないのか。
恐らく95%以上の人は、さう考へるでせうね。そして残りごくわずかの人が、逆の発想、つまり自分なりの願ひはできるだけ持たないはうがいいと考へる。
どちらがより真実に近いのか。今年の課題です。

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