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まるくまーる(旧・教育部長の講義日記)

毎日うんちをします

2020/12/23
介護三昧 0
毎日うんち 

よく使はれる譬へですが、天気に対する我々のよくある反応です。

天気がいいと、
「紫外線の対策が面倒だ」
と不満を言ひ、
雨が降ると、
「洗濯物が乾かない」
と不平を言ふ。

天気は自分の力で変へられない。ところが、あるとき気づくことがあるのです。

天気が良ければ洗濯物が乾き、雨が降ると紫外線対策が要らない

事実(目の前の現象)は何も変はつてゐないのに、私の認識が変はつてゐる。ほとんど逆転してゐる。

それまでは晴れても降つても私は運が悪かつたのに、気がついてみると、こんなに幸福な人間はゐないと分かる。

これは、ものの見方、視点を変へることで現象の意味合ひが変はるといふ、よくある人生のヒントのやうにも見えます。しかし、実はもう少し深い意義がある。

我々は誰でも例外なく、不幸を退けて幸福を得ようともがいてゐるのだと言ひます。さうすると、上の話は私の人生の目的を達せるかどうかといふ、とても重要な話になる。

先日の夜の体験です。

深夜過ぎにおばあちゃんが起きて、トイレに行かうとする。うんうんと力むので、どうしたかと思ふと、うんちなのです。昨夜もほぼ同じ頃に同じことがあり、なんと2日続けて、深夜のうんち。

簡易トイレにうんちをすれば、消臭剤を入れてゐるといつても、そのままでは臭い。内側のバケツを取り出して、水洗トイレに流さないと気持ちよく寝られない。

「どうして、よりによつて、真夜中に、2日続けてうんちなんだ。どうせなら、昼間にしてくれ」
と、心の中で(理不尽にも)要求し、イライラする。

ところが、バケツのうんちをトイレに流しながら、ふいに上の話を思ひ出したのです。

おばあちゃんが2日続けて真夜中にうんちをした。これは事実だ。この事実をまつたく変へないまま、私はいまここで即座に人生の目的を達する方法があるのではないか。

おばあちゃんは、ほぼ毎日1回うんちが出る。食欲もあるので、快食快便だ。うんちは、たまたま真夜中だつた、といふに過ぎない。

もし1日1回のうんちに文句があるなら、1日1回東の空から太陽が昇つてくるのにも文句を言はなければならない。

「どうしてアンタは毎日決まつて昇つてくるのか。アンタのせいで、起きたくもないのに毎朝起きないといけない」

これはいくらなんでも、不当な責任転嫁でせう。

知人や近所の人によく聞かれる。
「お母さん、どうですか? 介護、大変ぢやないですか?」

さういふときは、これからかう答へよう。
「毎日必ずお日様が昇つてくるやうに、毎日必ずうんちをします。快食快便で、持病もない。介護はとても楽です」

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