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まるくまーる(旧・教育部長の講義日記)

人生の謎かけを解く

2020/06/21
読書三昧 0
20200621 

樹木希林さんも著書『樹木希林 120の遺言』のなかで言っています。
「人生は楽しむものじゃないのよ。人生は面白がるものよ」

人生の困難は、宇宙の偉大な発明であり、「さあ、この謎かけを解いてみなさい」という、「本当の自分」からの問いかけです。
(『無意識を鍛える』梯谷幸司)


何らかの困難に遭遇したとき、
「こんなものがやつて来たか」
と言つて面白がるレベルは、17段階の意識レベルでいふと、レベル2(上から2番目)「ピース」の状態だといふ。
この状態なら、目の前の事態にいちいちジタバタしない。

これがさらに一段上がつて最上位レベル「悟り」の領域に入ると、
「この人は分かつてゐる、人生からの謎かけは必要ない」
と潜在意識が判断するのだといふ。
(「17段階の意識レベル」といふのは、デビッド・R・ホーキングの『パワーか、フォースか』で分類されてゐるものださうです。)

人生にはなぜさまざまな困難が起こつて来るのか。その理由についてはいろいろな見方があるでせうが、「宇宙の偉大な発見」だといふのは面白い表現です。

困難は「謎」だといふ。何となく理由が分かる場合もあるが、確かに理由がしかとは分からない場合も多いのは事実です。

「あの人の病気は治つたのに、私の同じ病気はなぜ治らないのか」
「あの人の仕事はうまくいつてゐるのに、私の仕事はなぜ不安定なのか」
「あの人の旦那さんは物分かりがいいのに、うちの旦那はなぜこんなに頑固なのか」

かういふ謎がしばしばかけられる。この謎をうまく解くことで、我々は自分の人生(の意識レベルの階段)を登つていく。そしていつかは謎がこれ以上必要のない「悟り」の境地に至る。

尤も、生半可なことでこの境地に至ることはできない。それはこれまでの宗教の歴史を見れば明らかです。しかし一段づづでも階段を登つていければ、それは充実した人生でせう。

梯谷(はしがい)さんは、「人生の困難」を謎だと言ふ。しかし考へてみれば、困難だけが謎なのではない。実は「人生そのもの」が一番の謎なのではないか。

生まれようと思つて生まれてきた訳でもないのに、私にはどうして「困難を克服して生きよう」といふ意識、「意識レベルを上げて善く生きよう」といふ意識があるのか。考へてみるほどに、それは自明ではない。

生まれてくるときに、やはり誰かから謎をかけられてゐるのでせうか。謎をかけられて、その謎を解かざるを得ないやうな初期設定がされてゐるのでせうか。

這へば立つ。立てば歩く。親が言はなくても赤ん坊はなぜかそのやうに自ら成長しようとする。それと同じやうに、一つの困難が来ればそれを克服しようとし、それを越えて二つ目が来ればまたそれを克服しようとする。

しかしそれらを「謎かけ」だとは普通考へてゐないので、その謎を「うまく解く」といふことをあまり意識しない。折角解くのなら、ちょつと勿体ないといふ気がします。

「うまく解く」にはどうしたらいいか。梯谷さんの本から、ヒントとなりさうなものを一つ取り上げてみませう。

人は何かしら欠けている部分を持って生まれてきます。普通の人はそれを「悪いこと」ととらえます。… 人生とは、その人の役割のところが欠けた状態で始まるようになっているのです。
(同上)


この世で私が果たせる役割がある。ところが、その役割を果たす部分が十分に満たされて生まれて来るのではない。むしろ欠けた状態で始まる。

なぜかと言ふと、欠けた部分を満たしていく過程を自分が辿つていくことで、自分を育てる。さうしてこそ、その部分が本当に世の中の役に立つやうになるといふのです。

分かり易い例へで言へば、お金の稼ぎ方を教へるといふ役割がある人は、その人生がお金のない状態から始まる。そこから工夫してノウハウを開発すれば、それを広く教へることができるのです。生まれながらの金持ちでは、お金の稼ぎ方を教へることはできない。天才的な人の成功譚があまり応用が利かないのも、同じ道理です。

尤も、「お金がない」といふのは外的な分野での「欠けた部分」です。より本質的には、自分の内面、例へば「思ひやりが乏しい」とか「忍耐心が足りない」とか「特定のタイプの人を愛せない」などと言つたことです。

人生の困難は、かういふ「欠けた部分」を埋め合はせようとして起こるのではないか。後になつて振り返ると、そのためだつたなあと気がつくことが、私にもあるのです。

「思ひやりが乏しい」なら、どうしても思ひやらざるを得ないやうな人が目の前に現れる。「忍耐心が足りない」なら、容易には解決できない問題が横たはる。

さういふ事態に放り込まれ、少しづつでも「上手く謎解き」ができていくと、どんな感じがするか。自分の中の欠けた部分が少しづつ満たされていく感じ、「なりたい自分」に近づいていく感じがします。そのときには悦びと、自分自身に満足する気持ちが伴ふのです。

どうも本当に世の中に役立つのは、「単にお金を稼ぐノウハウ」ではなく、「お金持ちであり得るに相応しい価値のある自分自身を創るノウハウ」ではないかといふ気がします。

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