言つてくれれば、やつたのに
妻が夫に手伝つてほしいことがあるのに、夫はそれを察しない。
仕方なく妻が一人で頑張つてやるけれども、やつた後で妻はもやもやするので機嫌が悪い。
どうしたのかと思つて、夫が妻に聞いてみると、
「これこれをしてほしかつたのに...」
と妻が言ふ。
そのとき夫が
「なんだ、言つてくれれば、やつたのに」
と言ふのは、アウト。
この一言は、相当ヤバい。
女性脳には「察すること=愛の証」なのです。
だから、上の返答は察することを放棄した、愛のない言葉に聞こえる。
「僕は君になんの関心もない」
「君のことを大切に思つてゐない」
といふ言葉に、女性脳には聞こえるのです。
男性脳はなぜかういふ女性脳のメカニズムを察し得ないか。
男性脳にとつて「大切なものに対して習慣的に責務を果たすこと=愛の証」なのです。
毎月給料を妻に渡す。
毎週決まつた曜日にゴミを出す。
毎日同じやうに帰宅する。
これが男性脳の愛なのです。
察する機能が装備されてゐない男性脳に「察してほしい」といふのは、謂はば「ないものねだり」です。
「言つてくれれば、やつたのに」
といふのは、男性脳の本音であり、思ひやりなのです。
これは日常生活における夫婦のごく小さな認識のずれです。
小さいのですが、それが積み重なると、いつか大きな問題に発展する可能性もあります。
かういふとき、女性脳は男性脳の機能的特徴を理解して、少し寛容になる必要がある。
一方、男性がすべきことは謝ることです。
「気がつかなくて、ごめん。僕がやるべきだつたね」
これは夫の敗北ではない。
妻が求める「愛」を与へて上げることです。
以上は黒川伊保子さんが書いた『妻のトリセツ
なるほどなあと思ふ。
序でですから、黒川さんが挙げる「妻が絶望する夫の代表的セリフ」を少し紹介しませう。
「だつたら、やらなくていいよ」
→ 家事が大変だと訴へる妻にこれを言ふと、「君がいつもやつてゐることは、僕にとつてはそれほど重要ではない。やらなくても気にならない」と聞こえる。
「つまり、かういふことだろ?」
→ 愚痴に対しては、「分かるよ。大変だね」と共感するだけで充分。妻が頼んでもゐない要約や解決策の提示は、妻に余計なストレスを増やすだけ。
「今日何してたの?」
→ 家事が思ふやうにできなかつた妻には「1日家にゐて、家事も満足にできないのか」と聞こえる。
「いいな~君は。1日〇〇(子どもの名前)と一緒で」
→ それが何より辛いと感じてゐる妻もゐる。さういふ自分を責めてゐたりする。
時と場合によつては、この一言が妻の致命傷になることもある。
男たる者、自分の男性脳のキャパシティを拡大して、女性脳を察する努力がどうしても必要なやうです。

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