正観さんは私の師匠です
CLOVER MEDIA Radio といふものを聞いてゐると、ゲストに招かれた中年の男性が小林正観さんの弟子だと言ふ。
「正観さんの言ふ通りにやつて、私の人生は本当に変はつたんです。だから師匠です」
35歳の頃、何かの縁で初めて会ひに行つたとき、のっけから小林さんに、
「あなたは肯定的な言葉をなるべく増やしたはうがいいかも知れない。『有り難う』といふ言葉を使ふやうに意識して、あと、自分の年齢掛ける1万回『有り難う』と言ふと奇跡が起こるよ」
と言はれる。
半信半疑ながら物は試しと思つて取り組んでみる。
3週間で35万回達成したが、はて何も奇跡らしいものは起こらない。
何だデタラメかと思つて小林さんのところに行くと、
「あなた、それ愚痴ですか?」
と言はれる。
「言ひ忘れてたかも知れませんが、その3週間あなたの口から不平や不満は出ませんでしたか? もし一度でも出たら、その瞬間に有り難うの回数はリセットされます」
「なんだそれ! 後だしじゃんけんみたいに、今頃言ふなよ」
と、これは心の中で思つて、ぐつと我慢し、もう1回チャレンジしてみる。
すると今度は10万回を超えたあたりで奇跡が起こった。
それまで8年以上睡眠薬がないと眠れなかつたのに、有り難うを唱えながら寝ると、気がつかないうちに薬も飲まないのに朝まで眠れたのです。
「これ、たまたまかな」
と思つてもみたが、翌日も眠れる。
この時から小林正観の弟子になつた。
「トイレ掃除をすると、臨時収入が入る」
とも言はれて、これも始め、今ではまつたく習慣になつてどこに行つてもいつの間にか掃除する。
トイレが汚いままで出てくるのは我慢できなくなつたので、これはもう嫌々ではない。
ところが、臨時収入が入つたことが一度もない。
「私の体験上、トイレ掃除は金運とは関係ない。ただ、私の場合、臨時収入よりも『人との出会ひ』が大変化したことのはうがもつと有り難い」
そんな話を聞きながら、だいぶ昔私も「有り難う」を100万回(当時の年齢の2万倍)唱えたときの体験を思ひ出しました。
私の場合は100万回唱えたその翌日と翌々日の2日に亘つて、交通違反のチケットを連続して切られるといふ人生で初めての体験をしたのです。
これが私にとつて「有り難う探求」の第一歩になつた貴重な体験です。
その時は
「どうしてこんな有り難くないことが起こるんだ?」
と訝つたのですが、その後いろいろな体験を経る中で、
「有り難いといふのは、それほど単純なことではない」
と分かつてきたのです。
そして今日のトークを聞きながら、改めて
「『有り難う』を言ふと『有り難い(と自分が思ふ)こと』が起こるのではなく、『今の私に一番必要なこと』が起こる」
といふことに得心がいきました。
ゲストの男性にとつては臨時収入が入ることより、人との出会ひが広がつていくことのはうが「必要な」ことだつたのです。
私にとつては、2日連続のチケットがその時には「必要な」ことだつた。
その当座は、「これの一体何が有り難いんだ?」と訳が分からない。
しかし、その時に人生の舞台裏でより大きな流れが起こり出して、その流れに自分が乗り始める。
5年10年と経つうちに、その大きな流れがだんだんと見えて来るやうになるのです。

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