9年目の3.11(その1)
間もなく3月11日がやつて来ます。
数年前にもちやうどこの頃、震災に纏はる話題を取り上げたことがあるので、それを3回に分けて再録してみようと思ひます。
まづ第1回は2018年3月11日の記事「気遣ふ『あの世』の人たち」の前半です。
ーー ここから再録 ーー
3.11
今日はあの東北大震災から、ちやうど7年がたつ日です。
午後テレビを見てゐると、
『魂でもいいから、そばにいて』(奥野修二著)
が取り上げられてゐる。
副題は、
「3.11後の霊体験を聞く」
家族や親しい人を突然失つた人たちが、その後体験したさまざまなこと。
その中に「霊体験」と呼ぶしかないものがたくさんある。
それを聞き集めた本です。
ある男性は、妻と幼い娘を失つた。
生きる意欲を失ひかけ、悲嘆に暮れてゐるとき、夢を見た。
妻が夢に出てきて、思ひがけないことを告げたのです。
「今は何もできないけど、あなたを信じてる。待つてゐる」
それは、
「いづれ、自分もあの世に行つたときに会へる、といふことだらうか」
と男性は思ひ、夢の中で妻と指切りをする。
ある母親は、3歳の息子をなくした。
幼い子どもの最後に口に流れ込んだのが轟轟たる泥水だつただらうと思ふと、何年たつても辛くてたまらない。
ところがある日、息子が好きだつたのはアンパンマンだつたと考へてゐると、部屋に置いてあつたアンパンマンの車が突然点滅して走り出した。
「あの子が見てくれてゐる。私は、簡単に死ねない」
と、お母さんは思つたといふ。
番組に出演してゐるコメンテーターの中には目頭を押さへる人もゐます。
あの世を信じると言ふ人もゐます。
「私はあの世を信じないけど、自己治癒をする体験ではないか」
と言ふ人もゐます。
いづれにせよ、亡くなつたすべての人が、例外なく、
「突然の、覚悟のない死」
だつたのは間違ひない。
しかし残された人が体験した「あの世の人々」は、思つたよりも落ち着いており、むしろこの世の人を気遣つてゐるやうにさへ思へる。
これが単なる思ひ込みや幻想でないとすれば、あれほど大変な死を体験した人たちがなぜそんな様子になるのか。
不思議な気がします。
ーー 再録はここまで ーー
2019年12月10日時点での死者、行方不明者合わせて18,428名の方々のご冥福を心よりお祈りいたします。

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