セルフトークを減らす
『セルフトーク・マネジメントのすすめ』(鈴木義幸著)を通読してみて、結局、
「セルフトーク・マネジメントとは、セルフコーチングということであり、あるレベルの自己主管ということ」
だと思います。
コーチングの定義は、
「相手の自発的な行動を促進するコミュニケーションの技術」
ということですから、自分自身の内部において、コーチされる側のセルフAとコーチする側のセルフBとの間のコミュニケーションの技術を上げていけば、うまくセルフコーチング(自己主管)ができるということになります。
この場合、セルフAとはセルフトークA(無意識的に「ああ、自分はダメだ」とつぶやくトーク)をしてしまう自分です。
セルフBとは、そのようなネガティブなトークを自覚して、意識的に「では、どうすればいいか?」と考える(セルフトークB)自分です。
「どうして自分はこうなのだろう? どうしてあの人はああなのだろう?」
「とにかくあの態度、あの一言は許せない」
「こんな状態では未来に希望がない」
このように無意識的につぶやくネガティブなセルフトークAは、たいてい堕落性本性から出るものだと言えます。
それを、
「このようにすれば、自分も変わるかも知れない」
「あのように言うあの人には、どのような事情があるのだろう?」
というように、セルフトークAを意識的に変えていこうとするセルフトークBは、創造本性的な努力によって出てくるものでしょう。
結局、セルフトークAとセルフトークBとの葛藤は、堕落性本性と創造本性との闘いであり、堕落性を克服しようとする私たちの信仰的日常の姿に他なりません。
セルフトークAをいかに克服していくかについて、同書では4つの方法を提案しています。
① セルフトークAをセルフトークBに変える。
② セルフトークBを意識的に使う。
③ セルフトークAを減らす。
④ セルフトークAをなくす。
ここでは、③セルフトークAを減らす方法について、簡単に触れておきます。
① 自分を守ることより、相手のことを考える。
「失敗したらどうしよう」というセルフトークAは、「失敗したら”私”はどうなるんだろう」という「私」の心配です。
しかし、自分が最大の実力を発揮できるのは、自分の心配をしている時ではなく、誰か他の人のために行動する時だということを考えるべきです。
「こんなふうにしたら、私はどう見られるだろう?」と心配するよりも、「どんなふうにしたら、相手のためになるだろうか?」と考えるように意識することです。
② 期待しない。
「これくらいのことはしてくれると思ったのに、どうしてしてくれないのだろう?」と、現実が期待を下回ってしまうと、相手への怒りや批判のセルフトークAが生まれやすくなります。
自分が怒りや反感などの「反応」をしてしまったら、それは自分の期待が裏切られたからだという理屈をしっておくだけでも、相当な効果があります。
③ 他人に貼ったレッテルを剥がす。
「彼は平気で嘘をつく奴で、信用できない」とか「あの人にはこの前ひどく怒られた。彼女は私を嫌っているに違いない」など、私たちは結構レッテルを貼って人を見ていることがあります。
しかし一旦レッテルを貼ってしまうと、それ以外の見方ができにくくなり、相手の長所や強みなども見えなくなります。
冷静に考えてみたら、レッテルを貼る元となるデータは極めて少ないことが多いものです。
たった1回の出来事だけですぐ相手にレッテルを貼るのは止めるようにしましょう。
④ 未完了を減らす。
「言いたいことを言えなかった」「やりたいことをやれなかった」など、日常生活の中に未完了のことが多いと、それらは私のエネルギーを相当に消耗させ、
「言いたいことも言えない自分はダメな人間だ」
「あの時やればよかったのに、なぜできなかったんだろう?」
などというセルフトークAを生む原因ともなります。
仕事のやり残しや手抜き、約束を破るなどはそれぞれ心に何らかの傷を残し、次のステップで集中力を削ぐ作用をしてしまいます。
次回は、「セルフトークAをなくす」方法について紹介します。
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セルフBとは、そのようなネガティブなトークを自覚して、意識的に「では、どうすればいいか?」と考える(セルフトークB)自分です。
「どうして自分はこうなのだろう? どうしてあの人はああなのだろう?」
「とにかくあの態度、あの一言は許せない」
「こんな状態では未来に希望がない」
このように無意識的につぶやくネガティブなセルフトークAは、たいてい堕落性本性から出るものだと言えます。
それを、
「このようにすれば、自分も変わるかも知れない」
「あのように言うあの人には、どのような事情があるのだろう?」
というように、セルフトークAを意識的に変えていこうとするセルフトークBは、創造本性的な努力によって出てくるものでしょう。
結局、セルフトークAとセルフトークBとの葛藤は、堕落性本性と創造本性との闘いであり、堕落性を克服しようとする私たちの信仰的日常の姿に他なりません。
セルフトークAをいかに克服していくかについて、同書では4つの方法を提案しています。
① セルフトークAをセルフトークBに変える。
② セルフトークBを意識的に使う。
③ セルフトークAを減らす。
④ セルフトークAをなくす。
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① 自分を守ることより、相手のことを考える。
「失敗したらどうしよう」というセルフトークAは、「失敗したら”私”はどうなるんだろう」という「私」の心配です。
しかし、自分が最大の実力を発揮できるのは、自分の心配をしている時ではなく、誰か他の人のために行動する時だということを考えるべきです。
「こんなふうにしたら、私はどう見られるだろう?」と心配するよりも、「どんなふうにしたら、相手のためになるだろうか?」と考えるように意識することです。
② 期待しない。
「これくらいのことはしてくれると思ったのに、どうしてしてくれないのだろう?」と、現実が期待を下回ってしまうと、相手への怒りや批判のセルフトークAが生まれやすくなります。
自分が怒りや反感などの「反応」をしてしまったら、それは自分の期待が裏切られたからだという理屈をしっておくだけでも、相当な効果があります。
③ 他人に貼ったレッテルを剥がす。
「彼は平気で嘘をつく奴で、信用できない」とか「あの人にはこの前ひどく怒られた。彼女は私を嫌っているに違いない」など、私たちは結構レッテルを貼って人を見ていることがあります。
しかし一旦レッテルを貼ってしまうと、それ以外の見方ができにくくなり、相手の長所や強みなども見えなくなります。
冷静に考えてみたら、レッテルを貼る元となるデータは極めて少ないことが多いものです。
たった1回の出来事だけですぐ相手にレッテルを貼るのは止めるようにしましょう。
④ 未完了を減らす。
「言いたいことを言えなかった」「やりたいことをやれなかった」など、日常生活の中に未完了のことが多いと、それらは私のエネルギーを相当に消耗させ、
「言いたいことも言えない自分はダメな人間だ」
「あの時やればよかったのに、なぜできなかったんだろう?」
などというセルフトークAを生む原因ともなります。
仕事のやり残しや手抜き、約束を破るなどはそれぞれ心に何らかの傷を残し、次のステップで集中力を削ぐ作用をしてしまいます。
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