迷いのない結婚
先日行った新規講演会で、映画「いま、会いにゆきます」を紹介し、
「これには、実は後日談があります」
と、話を進めたのです。
後日談というのは、映画では相思相愛、純愛の夫婦役を演じた2人がその後実際に結婚したものの、3年後に離婚に至ったという現実です。
理想と現実の乖離を示す象徴的な話だなと思って取り上げたのですが、受講者たちの反応はちょっと私の想定外でした。
みんな一様に、
「それ、知ってますよお」
と言うのです。
「おいおい、本当ですか! なんと、知らなかったのは講師ばかりなり( ;∀;)」
男優は中村獅童、女優は竹内結子という、ともに有名な役者ですから、考えてみれば世間の人たちが知っていて当然。
知らなかったのは世間知の乏しい講師だけということが判明して、講義の勢いがしょっぱなからやや削がれてしまいました。
それにしても、映画は確かに夫婦愛について考えさせてくれる幾つかの貴重なテーマを含んでいるのです。
受講者には、それを提示してみました。
第一。
2人は相思相愛だったが、妻が若くして他界した。
その妻がもう一度生き返って(わずか6週間だけですが)夫と息子のもとに帰ってくる。
しかしその時彼女は記憶をなくしているので、かつて夫婦であったということを知らない。
その妻が、6週間のうちに、
「私はやっぱり、この人の妻で良かった」
と思うようになるのです。
このストーリーは、
「もし生まれ変わっても、あなたはもう一度同じ相手と夫婦になりたいだろうか」
という問いを、観る者に提起します。
統計的には、日本の独身女性の6割以上が、
「結婚して、もし満足できなければ、別れても構わない」
と考え、そして実際に、36%の夫婦がその考え通り実行しているのが現状です。
しかし、そういう数字の次元とは別に、夫婦はどのように愛したら互いの満足度を高められ、別れるどころか、死んでも一緒にいたい思えるような関係になれるか。
それを考えてみるのは貴重なことだと、静かに教えてくれているように感じられます。
第二。
女性は20歳の時に交通事故に遭い、ベッドの中で不思議な体験をする。
自分の未来を見たのです。
それによると、この好きな男性と結婚すれば、8年後の28歳で一人息子を残して自分は死ぬ。
別の男性を選べば、違う未来があり得るかも知れない。
それでも、この人と結婚をするか。
少し悩みましたが、心はすぐに決まった。
そして、かつて見た幻想の通りに死んでいくのです。
このストーリーも象徴的に考えると、
「あなたは、この人と結婚すれば苦労が多いと分かっていても、結婚するだろうか」
という問いとして受け取ることができます。
この女性が運命に従ったのは、一つには、
「この男性しかいない。互いに1人の相手だけを愛するように出会った気がする」
と思ったからです。
そしてもう一つは、
「この人との間に、子どもをこの世に送り出してあげたい。その子のためにも私たちは出会った」
と思ったからです。
出会い方に、迷いがない。
エデンの園のアダムとエバならば、相手を他に探す選択肢はない。
それがある意味、理想でもあるでしょうが、現実には選択の余地があり過ぎるので、迷う。
そして、2人が出会って夫婦となるのは、自分たちだけのためではない。
自分たちを通してこの世に現れようとしている新しい生命(原理で言えば、神様の第三対象)のためにも出会っている。
そういう自覚を持てれば、結婚は極めて崇高な価値として意識され得ます。

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