The Showman、よかったなあ
息子への誕生日プレゼントとして約束していた映画遠征。
車で2時間かけて観に行ったのは、
「The Greatest Showman」
です。
19世紀に活躍したエンターテイナー、P.T.バーナムの成功を描いたミュージカル映画。
ミュージカル仕立てで作る映画としては、格好の題材だと思いました。
とにかく、音楽が素晴らしい。
所謂サーカス興行で曲芸師たちが披露する切れのあるダンスとアップテンポで伸びやかな歌の数々。
ストーリーも悪くはないが、続々と登場してくる音楽に魅了されて、時間を忘れました。
息子がこの映画を強く推したのも、この音楽に魅了されてのことだったのは間違いない。
彼が高評価していたミュージカル映画「LA LA LAND」の音楽を担当し歌曲賞を受賞したベンジ・パセックとジャスティン・ポールのコンビが、この映画でもその才能を存分に発揮しています。
しかし、この映画、もし私が一人で観に行ったとすれば、これほどの感動はなかったと思う。
それは多分、息子もお互い様。
だからこそ、わざわざ2人が一緒に行ける日を待って観に行こうとしたのだろう。
息子とは、これまでにも
「シンゴジラ」
「君の名は」
などを観に行きましたが、いずれの時も、息子のほうが感動レベルが高い。
(何しろ、満を持している)
それで、水が上から低きに流れるように、彼の感動が私のほうへどどっと流れてくる。
すると、私のもとの感動が数倍増幅される。
そして、映画の印象が数段深く心に刻まれる。
そんなふうで、
「この映画、よかったなあ。わざわざ観に来た甲斐があったなあ」
と、いつも思うのです。
出費は結構嵩んだとはいえ、こういう感動のやり取りができるのは、お金に代え難い喜びがあります。
映画が終わってサイデリアで夕食を食べるときから、2時間かけてまた帰路を走っている間まで、話が尽きない。
息子はさっそく映画のサウンドトラックをダウンロードして、流してくれる。
「この曲は、どの場面に流れたんだっけ?」
「これはサーカスの曲芸師たちが、バーナムから突き放されて悲しげに歌う場面。ぼくは涙が出た」
「ふうん。お父さんは一度も涙が出なかったな。見事の歌を満喫するだけだった」
大体、息子の感受性は私より敏感かつ繊細。
音楽にせよ、映像にせよ、感じ方が芸術家的です。
それで、息子の観点を聞きながら、
「私にはそういう感じ方があまりないなあ」
と、教えられ、感心することが多いのです。
帰り道はそんなふうに、2人とも興奮冷めやらず。
初めのうちは映画の話一辺倒だったが、最後にはどういう流れからだったのか、「時間」や「記憶」の議論になった。
2人とも文系の頭だから、科学的には曖昧なことこの上ないが、ちょっとハイデガー並の哲学者にでもなったような気分で、非常に満足した映画遠征の1日でした。

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