明後日から明日を考える
「未来を予測する最善の方法は、それを自ら創り出すことだ」
(アラン・ケイ)
この言葉を引用したのは、経営コンサルタント・中村健太郎氏。
(「明後日からの逆算」で明日をつくる経営のススメ)
これまでのコンサルタントの多くは、クライアントから過去のいきさつを聞き、それを左脳的に考えて評価したり監査したりする。
謂わば、
「今日から明日を考える」
という手法であり、その立場は第三者的です。
それに対して中村氏は、コンサルタント自らも新しいものを創り出すためにリスクを負い、クライアントとともに未来を創り出そうとする。
それを、
「明後日から逆算して明日を考える」
と中村氏は言うのです。
過去から未来を考えようとすると、従来の枠組みから脱するのが難しい。
過去の短所を切り捨て、長所を伸ばそうとする。
それで、
「今年は前年対比5%アップを目指そう」
とか
「既存の市場で他社からシェアを10%奪おう」
などという発想になる。
ところが、中村氏の会社はそういう要請はすべて断るというのです。
そういうテーマよりも、
「全く新しいルール作り」
「全く新しいマーケット作り」
を目指そうとします。
具体的にはどういうコンサルティングをするのか、記事からだけでは分かりませんが、とても示唆的なものを感じます。
「これまで生きてきた体験から考える」
これは、良くも悪くも我々の強い性癖だと思います。
過去に成功体験があればあるほど、その傾向はさらに強まるでしょう。
聖書歴史の中にその代表的な例を求めれば、イエス様を迎えた時のイスラエル民族がそうでした。
モーセ以来1600年間従ってきた神の律法は、彼らの選民意識の根底にあるもので、それを容易に否定することはできない。
イエス様が登場した時、彼らはいわば「昨日から今日を考える人」でした。
一方、神様は時空を超越した摂理を動かす方で、初臨摂理が挫折した場合のことまで考えておられたのですから、「明後日から明日を考える方」だと言えます。
イエス様も神様と同様の考え方をする方でしたから、イスラエル民族から排斥されたのです。
自分はどうだろうかと考えると、左脳優位のロジカルシンキング人間。
「昨日から今日を考える」典型的なタイプです。
教会の成長を考えても、
「1年間で信徒数5%増えれば、5年で27%増える。10%なら5年で60%」
というような発想に陥る。
こういう提言は過去に繰り返し行われたにも拘わらず、それが実現できたという話は聞いたことがない。
過去に縛られない自由な発想。
自ら新しいルールを作って、発展を自ら作り出す。
そういう人にならずしては、5%成長の呪縛から永遠に脱却できそうにない。

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