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藪医者になれ

kitasendo
20171023 

頼りない医者のことをなぜ
「藪医者」
というのか。

私の落語知識では、主要な説が2つあるようです。

一つ目。
昔は医学部もなければ、医者の国家試験もない。
なりたいと思う人がなるが、下手な医者は薬の処方もいい加減。
裏の藪から適当に取ってきた草を煎じて飲ませるので、藪医者。

二つ目は、もう少し気が利いています。
風邪が流行ると、医者の需要が急に上がる。
当然、評判のいい医者からお呼びがかかるが、病人が多いので医者が足りなくなる。

そういう時、
「風邪くらいなら、ちょっと頼りない先生でも大丈夫だろう」
ということで、最後には普段はお呼びのかからない先生まで呼ばれるようになる。

「風邪(風)で動く」
というところから、風邪くらいで呼ばれる頼りない医者のことを藪医者と呼ぶ。

落語知識ですから説の真偽は分かりませんが、常識的には、藪医者は頼りない医者を指します。

ところが、今日NHKの「プロフェッショナル」を見ていると、
「藪医者になれ」
という祖父(東大医学部の医学者)の遺言を胸に医者となり、今や整形外科のスーパードクターと言われる医師が登場しています。

祖父の遺言は、
「壁医者になるな、藪医者になれ」
というもの。

壁医者になると、その向こうは全く見えない。
しかし藪医者なら、目を凝らせば、藪の向こうに光が透けて見える可能性がある。

医者になりたての頃、祖父のこの言葉の意味は分からなかったという。
しかし、整形外科の医者になり、成功も失敗も繰り返す体験を繰り返すうちに、次第にその意味が見えてきたのです。

手術はうまくいったはず。
ところが、しばらくたって、人工関節を入れた近くの骨にひびが入る。
どうしたらいいか。

一旦喜んで、
「先生、ありがとう」
と言ってくれた患者さんに、謝らなければならない。

謝ったうえで、
「もう一度、手術をしてみましょう」
と提案する。

1回目とは違う方法で、人工関節を入れる。
その方法を考えねばならない。

「もうだめだ」
と思ったら、次の手は見えない。

「壁というのは、結局、自分が作るんですね」
と、その医師は言う。

「あらゆる文献を探し、同僚たちに相談する。プライドも捨てて、道を探す」
そうすると、初めは見えなかった道が見え始める。
それが、藪医者の面目です。

東大の優秀な医学者であった祖父も、生身の患者を相手にしながら、その人なりにいろいろな苦労をしたのでしょう。
その苦労の中で「藪医者」の価値を悟った。

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