夫婦は見つめ合ってはいけない
先日書いた記事「キレる妻に、怯える夫」の結論が、一見拍子抜けするほどささやかな感じがするものでした。
① 見つめ合い、スキンシップをとる
② 目標に向かって2人で協力する
③ サプライズの贈り物をする
しかし、少なくとも最初の2つについては、印象ほどささやかではないということが分かったので、少し説明してみます。
①について。
これは前回の記事「考える皮膚」で見た通りです。
スキンシップ、肌に触れるということは、非常に大きな癒しの効果を生み、親密な感情を醸成します。
『皮膚は「心」を持っていた!
最近の研究によると、1秒に5センチの速さで触れるときに最も強く反応するのが、「C触覚線維」というもの。
この線維、この速さで触れたときに最も興奮し、それ以上でもそれ以下でも興奮しなくなる。
しかも、この線維は高次な知的機能を司る前頭葉や、感情や情動を起こす辺縁系との間で神経線維の連絡が行われているので、触れるという行為が思いや感情に強い影響を与えていることが容易に理解できます。
触れられることにおいては、女性のほうがより敏感です。
実験によると、女性は腕よりも肩に触れられるほうが「快」と感じる度合いが高い。
また触れ方については、女性は「軽く叩く」タッチには「励まされた」と感じ、「触れておく」タッチには「緊張する」。
スキンシップも、無暗ではいけない。
慈愛に満ちた、優しい配慮が必要なようです。
②について。
先日参加した家庭連合のフェスティバルで基調講演者が私のブログ記事と同じ題材を使って話されたのを、興味深く聞きました。
講演者によると、
「夫婦は見つめ合ってはいけない」
(これは①の結論を否定するようですが、比喩的な意味合いです)
見つめ合うのではなく、夫婦は同じ方向を見るのがいい。
共通の目的を見つめ、両手ではなく、片手をつなぐ。
そして、つないでいないお互いの片手は自由にさせてあげる。
そのあいているほうの片手で伴侶が何を掴み、何をしているか、あれこれ詮索しない。
お互いに相手を信じる。
相手の自由を認め、相手を信じる。
愛情を育てる関係は、これくらいがいい、というのが、講演者の考えでした。
もっとも、これは簡単なことではない。
相手の反対の手が何をするか干渉しないとなると、相手を信じるか疑うかの岐路に立たされる。
本当に信じようとするなら、
「万が一裏切られるように思えても、信じる」
というくらいの覚悟が必要になります。
同じ目標に向かって2人で協力するためには、深い愛情に根ざした信頼がなくてはならない。
その意味で、②は一見単純そうで、実はかなり深い結論だということになります。

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