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まるくまーる(旧・教育部長の講義日記)

質問は命令よりも強い

2017/08/24
読書三昧 0
20170824 

「人間は、他人から言われたことには従いたくないが、自分が思いついたことには喜んで従う。だから、人を動かすには命令してはいけない。自分で思いつかせればよいのです」
(『人を動かす』デール・カーネギー著)

「いい質問」が人を動かす』の著者である谷原誠さんは、カーネギーのこの言葉に衝撃を受けました。
谷原さんは弁護士。
この一言に出会うまで、人を動かすには理屈で勝ち、説き伏せればよいのだと考えていました。
しかしその考え方に従って行動した結果、弁護の失敗を何度も経験したのです。

人を動かすには、命令してはいけない。
説得しようとしてもいけない。
自分で思いつくように仕向けるには、どうしたらいいのか。
それが「いい質問」だと思い至ったのです。

質問には、命令よりも説得よりも強力な何かがある。

① 思考させる
② 答えさせる

という2つの力です。

例えば、人に、
「小さい頃、嬉しかった思い出は何ですか?」
と質問する。

質問を受けた人は、必ず、その質問に答えようとして考え始めます。
そして、答えを探すのです。

つまり、「思考させる」「答えさせる」というのは、ほとんど強制力なのです。
しかし、質問された人は、それを強制力と感じない。
そこにこそ、質問の真の力があります。

質問によって、質問者はその場をコントロールする力を自然に手に入れます。
だから、質問は命令よりも強い。

実際には我々はそこまで考えていません。
あまりにも何気なく質問しているような気がします。

谷原さんは、質問が持つ6つの偉大な力を列挙しています。

① 思いのままに情報を得る
② 人に好かれる
③ 人をその気にさせる
④ 人を育てる
⑤ 議論に強くなる
⑥ 自分をコントロールする

しかし、こういう力を発揮させるためには、質問は「いい質問」でなければならない。
これが熟考と鍛錬を必要とするところです。

弁護士は相手と言葉でやり合って、こちらに有利な内容を勝ち取るのが仕事ですから、本番前には綿密な質問のシナリオを練ります。
一般人はそこまでしないとしても、ある程度のシナリオを組み立ててみるのは鍛錬の一つになりそうです。

谷原さんが挙げてくれている分かりやすい実例を一つだけ紹介します。

夫は次のゴールデンウィークに家族で温泉に行きたいと思っている。
そのためには妻をその気にさせる必要がある。

夫「ねえ、ゴールデンウィーク、どこかに行かない?」
妻「いいわね。たまには海外に行きたいな。グアムとかはどう?」
夫「俺は温泉に行きたいんだけど …」

これでは、
「温泉 VS グアム」
の対立構造ができてしまい、あとは交渉になってしまいます。
こういう失敗は、夫が提案する前に質問のシナリオを作ってから始めなかったためです。

まず、宮崎駿の「千と千尋の神隠し」のDVDを借りてきて、妻と一緒に観ます。
その上で、
夫「たまには温泉に行きたくない?」
妻「行きたいわね」
夫「あんな映画みたいな温泉があったら行ってみいでしょ?」
妻「絶対、行ってみたい」
夫「このアニメのモデルになった温泉が、〇〇にあるそうだけど、行ってみたくない?」
妻「行く、行く」

こんなにうまくいく保証はないとしても、最初の例よりは可能性が高いでしょう。

最初の例は、オープンクエスチョンから始めたのが失敗です。
どんな答えが返ってくるか、相手次第になってしまいます。

そこで、次の例では、クローズドクエスチョンにしています。
こういう聞き方をすれば、相手は「はい」か「いいえ」のどちからで答えるしかない。
ここで、「はい」と答えたくなるようなシナリオを作っておけばいいのです。

この例は、ちょっと作為的な感じがします。
ポイントは、質問と答えを通して、お互いがより良い結果に至ろうとすれば、質問者は「いい質問」を熟考して始める必要がある、という点なのです。



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