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まるくまーる(旧・教育部長の講義日記)

子女の愛を育てるスキル

2017/03/12
愛で生きる 0
20170312 

子どもを育てるというのは、詰まるところ、その子の心を育てるということでしょう。
これが親にとって、本当に難しい。

私の理解では、人が育つのには2つの力がある。
一つは「原理の力」。
もう一つが「愛の力」です。

原理の力は、譬えてみれば、しっかりと敷設されたレールの上を走る力です。
人として生まれれば、人としての心は育っていく。
それは親が心配することではないし、また親の力でどうこうできるものでもありません。

しかし、ここに愛の力がうまい具合に絡まっていかないと、人の心は正常で豊かに成長しない。
ここに育てる側の苦労があります。
一旦配慮が足りず、愛の力で育て損ねると、それを元のレールに引き戻すにはものすごい労力を要するのです。

社会的な犯罪など、様々な問題行動をする少年少女たちを扱う専門家たちの間で、
愛着障害
という言葉が注目されているということを、過日NHKの番組で知りました。

その番組で紹介された専門家の一人が、米国のテリー・M・リヴィー博士。
彼の治療法の特徴は、当の子どもだけを相手にせず、その両親までも含めて問題を扱おうとするところにあります。

番組に登場したのは、男の子を特別養子縁組で引き取った夫婦。
その子が「愛着障害」で、養父母は非常に苦労している。

「親の側に、子どもを育てる『スキル』がない。『親としてのスキル』を与えることが重要だ」
と博士は考える。

そこで博士はまず、その夫婦を呼んで向かい合わせます。
そして、お互いの過去、育ってきた過程を振り返ってもらうのです。

するとお母さんのほうが思い出す。
「お父さんは仕事ばかりで、家族を顧みない人だった。喧嘩をすると、大きな声を出し、ものが飛ぶ。お母さんは泣き出す」

それで、
「お父さんなんか、要らない。いなくていい」
という思いが知らず知らずに定着していった。

おそらくはその意識が作用して、今も夫婦喧嘩になると、つい夫を強くなじってしまう。

その告白を聞いて、博士は、
「あなたがそのようにすると、息子さんの意識には『お父さんの言うことは聞かなくていい』というメッセージが刷り込まれる。ご主人の『父親としての権威』を失墜させているのです」
と指摘する。

家庭生活を通して体験する4つの愛の中で、最初の愛が「子女の愛」です。
それは親が「言葉」で教えるものでもなく、ましてや学校で学べるものでもない。
親が日常生活の中で実践する「真の愛の生活」を見ながら、子どもが自然に体験する愛だと言うのです。

だからこれ(子女の愛を育てるスキル)は、親にとって最も難しい愛の課題なのです。

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