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まるくまーる(旧・教育部長の講義日記)

堕落性に潜む恐怖心

2017/01/19
私の中の世界 2
20170119 

小人数を相手に昨年暮れに行った原理講義の4講座シリーズを、再び別のグループですることになりました。
先日、第1講座を終えて、第2講座の「堕落論」を推敲していると、
「堕落性とは何か」
「堕落性はどのように発生したのか」
という点がなかなか難解だと、改めて感じます。

堕落性の発生とその伝播は、

天使長 → エバ → アダム → 子孫

という流れで理解していいでしょう。

それなら、天使長の中に生じた堕落性とは一体どんなものだったのか。
原理講論には、次のようにあります。


ルーシェルは、自分が天使世界において占めていた愛の位置と同一の位置を、人間世界に対してもそのまま保ちたいというところから、エバを誘惑するようになったのである。


この時、ルーシェルはかつてないほど大きな試練の只中にいたと思われます。
それまで長い間、被造世界随一の能力をもって神を助け、神の最も大きな信頼を得ていた立場を、思いもかけず、否定されようとしたのです。

天使は自らを「僕」と称するのですが、それまで神様以外の主人に仕えたことがない。
被造物の中では一貫してトップに立ち続けてきたのです。
全体的な秩序が大きく変わろうとするとき、新しい主人がやってくれば、しかも自分より劣るように見えるならば、その主人に、それまでと変わらず仕えることができるかどうか。

これは苦しい。
何とか、他の道、私自身の価値と自尊心とを保ったまま、新しい秩序に従っていける道はないのか。

そこで、エバに近づく道を見出した。
それは良い道ではない、創造原理に背く道だとは知りながらも、その道しか行けない。

こういう思いを抱いていた天使長から、エバは2つの要素を受け継いだのです。
一つは、創造目的に背いたということに対する良心の呵責からくる恐怖心。
もう一つは、創造本然の夫婦はアダムとエバであるという知恵。

これはつまり、天使長が自分の位置をそのまま保ちたいという欲望は、不可避的に恐怖心を生んでいたということです。
なぜなら、彼にはエバとの関係は創造原理に背くという知恵があったからです。

また、天使長と関係を結んでいくエバの側には、
神のように目が開けることを望み、時ならぬ時に、時のものを願う
過分な願望があった。

このような、天使長譲りの心的要素と、エバ自身が持っていた要素とがない交ぜになって、アダムに伝わったと考えることができそうです。

エバと関係を結ぶときのアダムの心的要素については、原理講論では明確な言及がない。
ただ、
ルーシェルと同じ立場に立っていたエバと相対基準を造成し ...
とあるのを見ると、その時のアダムにも本然の喜びはなく、恐怖と過分な欲望とにまみれながら関係を結んだように思われます。

彼らにはなぜ「恐怖」があったのか。
その恐怖は、彼ら自身の「良心」が生み出したのです。

良心が生み出すこの恐怖は、理屈で考える以前のものです。
なぜと説明できなくとも、理屈抜きに感じられる。

この恐怖は、ルーシェルと接近するときのエバにも、すでにあったでしょう。
ところが、関係を持ってみると、知恵も得た。
それで、はっきりと恐怖の訳が分かったのです。

堕落性の中には、常に恐怖心がある。
その恐怖心を、堕落性は蓋をして覆い隠そうとする。
今の我々が抱え込んで苦闘している堕落性には恐怖心が内包されていて、それがいつも巧みに我々を混乱に追い込む。


恐れの感情がつくウソのひとつは、
「恐れを手放すと、恐れていることが本当に起きてしまう」
というものです。

私の経験では、これほど真実から遠い言葉はありません。影の中に隠れている恐れに意識の光を当てて解放し、潜在意識に隠れていた感情を呼び起こせば、いい結果が得られるのです。
(『人生を変える一番シンプルな方法』ヘイル・ドゥオスキン著)


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Comments 2

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fatherF

質問です

>エバと関係を結ぶときのアダムの心的要素については、原理講論では明確な言及がない。
ただ、「ルーシェルと同じ立場に立っていたエバと相対基準を造成し ... 」とあるのを見ると、その時のアダムにも本然の喜びはなく、恐怖と過分な欲望とにまみれながら関係を結んだように思われます。

この言い方では、アダムがエバと関係を結ぶ以前の本然のアダム自身が「本然の喜びはなく、恐怖と過分な欲望」を持った存在であると読み取れますが、正しいでしょうか?

2017/01/20 (Fri) 05:54

教育部長

Re: 質問です

私としては「その時」と書いたことで、エバとの関係を結ぶようになった段階のことを想定しています。

2017/01/22 (Sun) 16:45