つながりの願い
数年前に世界的に人気を博した米国のドラマシリーズ「TOUCH」。
この正月休みに、Netflixで集中視聴しました。
主演のキーファー・サザーランドは、「24(Twenty Four)」以来私も大ファンの名優です。
主人公マーティン・ボームは、2001年9月11日、あの同時多発テロで妻を亡くしました。
その直前に生まれたジェイクをマーティンが一人で育てるのですが、ジェイクは生まれつきの自閉症。
父とも一切口をきこうとしません。
ところが、彼には特殊な才能があることが分かってきます。
彼は人とは交わらず、ノートにひたすら数字を書き込み続ける。
数字の字面だけ見ると、無意味な数字の羅列に見えるのですが、マーティンがその数字をあてにして動き出すと、その数字が世界中の幾人もの人をつないでいることが次第に分かってくる。
別れていた親子が会うようになったり、インドの若者がアメリカに来て本懐を遂げたり。
そしてドラマは、回を追うごとに、テロで亡くなった妻に関わった人たちが次第につながり始めるのです。
ジェイクの特殊能力は、過去・現在・未来のつながりが見え、それをあるべきようにつなげることができる。
それを示唆するために、数字を使うのです。
数字というのは、スマホの電話番号、マンションの部屋番号、高層ビルの階数 .... など、身の周りに溢れていることに気づくとともに、それらの数字が決して無意味に振られているのではないということにも気づきます。
ジェイクが自閉症なのは、ある意味必然的な設定です。
彼は人間関係を閉じることによって、普通の人には見えない時間軸と空間軸の複雑なつながりが見える。
彼がもし普通にコミュニケーションできれば、そちらに引かれて、あるべきままに見ることも動くこともできないだろうと思われます。
仏教では、
「袖すり合うも他生の縁」
と教えていますが、日常の中でそれを真に受けることは稀です。
どんな「縁」なのか凡人には分からないので、それも仕方がない。
しかし、本当のところはやはり、つながっているのだろうと思います。
神様の創った世界は、すべてが「連体」、つながっていると言います。
「すべての人は、つながりを求めて、さまざまなものを発信する」
「人は誰でも声が聞こえると耳をそばだてる。そして、それに対する答えを考え始める」
ドラマの中では一言もしゃべらないジェイクの声でナレーションが流れます。
人はなぜ、つながりを求めるのだろう。
それはもともと、創造主ご自身がつながりを求めてこの世界を創造されたからだろうと思います。
男性格主体であれば女性格対象を求め、父であれば母を求め、父母であれば子女を求める。
対象がほしいのは、対象とのつながりを持ち、そこで喜びを感じたいからです。
昼の神も夜の神も、つながる喜びを感じたいからそのようになっていると、今の私はシンプルに考えています。

にほんブログ村
- 関連記事
-
-
土偶は植物の精霊である 2022/01/21
-
心を探る問いかけ 2020/01/23
-
丁寧に、丁寧に 2022/12/19
-
私は地獄を見てきた 2011/05/19
-
スポンサーサイト