ひたすら聞く牧会者の価値
原理講論の「復活論」とハワイの伝統的問題解決法ホ・オポノポノとの間には共通する点が多いと感じて、その関連の本を6冊くらい読んでみました。
その中で、一つとても気にかかることがあるのです。
例えば、こんな一節があります。
世界の経済危機は、実は女性が愛されている、大切に思われているということを感じていないことが、その原因なのです。女性の男性に対する恨みや憎しみの大きな『塔』が世界中に立ち始めているのが原因で、世界経済がおかしくなっているのです。
(『豊かに成功するホ・オポノポノ』イハレアカラ・ヒューレン著)
女性の幸福感と世界経済との間に緊密な因果関係があるというのは、珍しい、というより突拍子のない指摘のように感じられます。
これをどう論理的に説明したら説得力があるか、途方にくれます。
しかし、なぜか無視もできない気がするのです。
気にかかる理由は、
「なぜ、女性の感情が問題で、なぜ男性ではないのか」
というところにあります。
女性たちが遠い過去から抱き続けてきた嘆き、悲しみ、恨み、怒り、無力感などが積もり積もって高い「塔」になり、そのネガティブな感情が今度は男性までも巻き込んで、世界中に広がっていく。
ネガティブな感情の起源は女性であって、男性はそれに巻き込まれている。
ここにおいて、男性は被害者であるように見えながら、一方では加害者でもあるのです。
女性たちが抱いているそのネガティブな感情は、男性から愛されていない、大切に思われていないという実感からきている。
女性には非常に高い価値があり、かつ女性らしい能力も豊かであるのに、それが男性たちから正当に評価されてこなかった。
そのことに対して恨みがあり、憎しみさえあるというのです。
しかし、そういうことを言うなら、男性の側には女性に対する恨みや憎しみはないのか。
この点に関するヒューレン博士の明確な言及はありません。
そこで私なりに考えてみるために、結婚した夫婦を想定します。
結婚して生活するうちに、お互い相手に対する不平や不満が出てくるのは仕方のないことでしょう。
しかし不平や不満が恨みや憎しみにまで発展する状況を考えてみると、やはりどうも女性のほうにそれが多いのではないかという気がするのです。
そこには、女性ばかりが一方的に理不尽な扱いを受けているという不満もあります。
しかし、それ以上に男性と違うのは、そういう感情に対する感覚が男性よりもはるかに敏感だということです。
そして、その感情に対する分析力もまた女性は鋭いのです。
自分の価値を正当に評価されていない、大切に扱われていない、という思いの根底にあるのは、
「私はこの男性から、本当の愛では愛されていない」
という自己認識がある。
そのことを女性は半ば無意識にではあっても、かなり明瞭に意識しているような気がします。
これが女性には、実に大きな苦悩になるのでしょう。
女性は本当の愛で男性から愛されることを願っているのに、父親からもそれを感じることができず、結婚した夫からも感じることができない。
それで信仰の道に来る女性は、その愛を求めているのですが、神様は男性格だと言っても、無形です。
前回の記事の最後に、
「男性の牧会者が女性の会員の話をひたすら聞く、というのがとても重要な気がする」
と書いたのは、実は、ここにその主たる理由があります。
女性会員の話をひたすら聞く男性牧会者は、女性が抱いている深い苦悩と願望の一端を満たし得る可能性があると思うからです。
神のみ旨は理想天国を創建することだと言っても、その根底にはこのような過去を修復する地道な作業が必要ではないか。
有史以来、人類の半分が抱き続けてきた恨みと悲しみ。
それを、誰が、どこで、いつ解くのか。
それが信仰の場、教会ではないのか。
そして、もちろん、最終的には、その場は「家庭」にまで戻っていかねばならないでしょう。

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興味深いですね
昔ビデオセンターで、女性メンバーが喜んでるときは実績がどんどん出るとか話があったのを思い出しました。
朴大統領なんてのはその観点で、本当に気の毒な方ですね。