淡路島の優しいサルたち
先日、徳島の娘を訪ねた折に、淡路島の名所を2か所訪ねて大満足だったのですが、実はもう1か所行きたいところがありました。
淡路島モンキー・センター
島の南西部、瀬戸内海に面した山の中に、現在では200頭ほどのニホンザルが餌付けされています。
観光地にもなっているこういう施設は、日本中至る所にあります。
同じ瀬戸内海の小豆島にもあるし、九州大分の高崎山は有名です。
ところが、淡路島のサルたちは、他の場所のサルたちと、ちょっと違う。
ボスザルがえらく優しく、お互いに仲が良いというのです。
ネットでググってみると、この特徴に関心を持った研究者が、阪大や京大から調査に来ているそうです。
どんなふうに、他と違って仲が良いのか。

例えば、「サル団子」という実験があります。
直系8メートルの円の中に餌をまき、そこに何匹のサルが入れるかという実験です。
サル社会はかなり厳しい縦社会で、格上のサルが餌を独占するのが普通です。
それで狭い範囲に餌をまけば、弱いサルたちは排除され、円の中に入れない。
例えば、他の地域では20匹ほどしか入らないところが多いのに比べ、淡路島のサルはなんと160匹が入るという。
これは明らかに、餌を分け合っている証拠です。

もう一つ、「サル文字」という実験もあります。
例えば、「サル」という文字の形に餌をまく。
すると、サルたちが餌を求めて、その文字の形に並んで食べる。
これもまた、上下が餌をうまく分け合って食べている証拠です。
こういうサルの特異性がどうして淡路島に現れるかについて、研究者たちはこんなふうに考えます。
一つは、淡路島のサルが他地域のサルに比べて、優しさに関わるホルモンを受け取るタンパク質の遺伝子に違いがある。
もう一つは、最近の過去15年ほどにわたってボスを務めた「マッキー」の優しい性格が群れの雰囲気を変え、かつ、その性格を次のボスも受け継いでいる。
なるほど研究者らしい推論には思えますが、それならなぜ、よりによって淡路島のサルたちに遺伝子的な違いが生じたのか.
それについては、説明ができません。
私は『ガイアの法則II
「これは、淡路島という場所の空間的な位置づけに重要な因子があるのではないか」
と考えてみたのですが、もとよりそれも科学的な根拠がある話ではありません。
「ともかく、淡路島のサルたちはどんな様子だろう?」
という興味を抱いて、翌日、わざわざ1時間半かけて洲本市まで足を延ばしてみたのです。
ところが着いてみると、残念なことに、定休日。
未練がましく車を道の端に止めてしばらく山のほうを見上げていると、時々、木に登るサル、坂を下るサルが遠望されます。
道のほうまで降りてきて、私をちらりと見てはすたすたと去っていく猿も数匹。

いつかもう一度、娘と一緒に訪ねてみようと思います。

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