後天時代の親学⑧
本当の認識の道というのは、本当の歴史家になることです。そうすれば、自己を知るようになります。
(『学生との対話』小林秀雄)
2回めの「親セミナー」を教会で開催し、3コマ5時間の講義を集中的に受けました。
その内容を元に、「後天時代の親学」を再開してみようと思います。
「親学」とはいうものの、突き詰めていくと、これは「人間学」「原理学」にもなるような気がします。
その出発点は、
「私とは何者か、私の正体は何か」
というところにあります。
自分の正体をどのように知ることができるか。
小林秀雄はそれを
「本当の歴史家になることだ」
と言っています。
昔、日本では歴史のことを
「鏡」
と呼びました。
人が歴史を虚心坦懐に見れば、その歴史は見る人そのものを映してくれるということだとも考えられます。
その意味するところは、
「自分をいくら見ても、自分を知ることはできない。鏡に写る自分を見て初めて自分がわかる」
ということです。
家庭の中で自分を知るのも同じです。
自分の子どもを通して、親である自分自身の正体を知る。
妻を通して、夫である自分自身を知る。
それが正常な自分の知り方です。
ところで、何のために自分を知るのか、その目的が重要です。
愛のために知る。
愛することを通して自分自身を育てるために知る。
親セミナーでは、子どもをどのように知って正しく育てるかということを学ぶようでありながら、考えてみれば、結局は、
「自分自身を知って、自分を正しく育てる」
ということを学んでいることに気がつきます。
「親にとって子育ては、つまるところ、自分育てである」
ということです。
それなら、「育つ」とは一体何が育つのでしょうか。
愛が育つ。
本性が育つ。
そう言っていいでしょうか。
その点について、今日のセミナーで指摘されたポイントを幾つか挙げてみます。
① 愛のほとんどは「信じる」ということである。
② 被害者であり続ける限り、愛は育たない。
③ 愛の実体とは、心と行動とが一致した存在である。
個別の内容について、次回からまとめてみます。
よろしければ1クリック!!

にほんブログ村
【おすすめ記事】
- 関連記事
-
-
主よ、なぜあなたが私の足をお洗いになるのですか 2014/08/20
-
訓読によるささやかな証し 2011/10/16
-
しっかり本心の基準がある 2012/03/29
-
講論に沿った講義の壁 2012/11/30
-
スポンサーサイト