お父さんには " fun " がないよね
閑話休題。
ある夜の我が家のスクリーンショットです。
キッチンで『平和経』を訓読していると、娘がふいにやって来て、
「お父さんには楽しいことがないの?」
と聞いてきました。
「お父さんが家にいる時は、パソコンをやってるか、本を読んでるかだよね。趣味がないよね」
と言うのです。
「確かに、趣味らしいものがないかもね。でも、この平和経は魅力的だよ。読んでいて、すごく気持ちが良い時がある。一級の素晴らしい食事をしているような感じとでもいうか ..... 」
すると娘が言うには、
「楽しいには " interesting " と " fun " の2つがあるのよ。お父さんは " interesting " はあるけど、" fun " はないように見える」
「なるほど。そうかもなあ。なんか、心から笑うようなことがあまりないかもね。でも、ただジョークがおかしくて笑うのではなく、心の底から嬉しくて笑うような、そんな " fun " がいいなあ」
「お父さんは、我ながら自分の感情を表現するのが苦手だと思う。理論的に講義をするのは得意だけど。君の話を聞いてると、友達とのやり取りを順序立てて話して、しかもどう感じたかもちゃんと話してる。そういう点は、君のほうがよほどうまいと思う」
「それは男女の違いかもね」
と、娘。
そう言ってから、
「じゃあ、お兄ちゃんについてどう思っているのか、話してみて」
と、父親を試してきます。
どんな意図を持って話題を持ちかけてくるのだろうと少し訝りながら、咄嗟に考えてみました。
「お兄ちゃんは幸せな男だと思う。自分のやりたいことがずっと昔からはっきりしている。しかもそれに熱中できてる。それに、意外と人付き合いもうまい。高校までは時々学校を休んで心配したけど、家を出たら意外としっかりやっているのも感心してる」
「ふーん。なかなか上手く言うじゃん」
と、少し納得したふうで評価してくれた後、
「私の高校3年間は、すごくネガティブな3年間だった。これがまだこれからも続かなければいいけど」
と、今度は自分の内心を告白してきます。
「そうか、そんなにネガティブだったのか。よく友だちとのやり取りを楽しそうに話していたのに。それは " fun " ではなかったのかい?」
「なかったよ。クラスでいつも一人でいる子もいるけど、その子が楽しくないとも限らない。もしかしたら、私よりも楽しいかもしれないと思う」
娘が話しかけてきた動機は、この辺りにあったのかな、という気がしました。
と同時に、
「私は娘の気持ちがよく見えていなかったな」
とも内心思いました。
「喜びというのは、結局、外にはないのかもしれないね。全ては自分の中にある」
そんなふうに言った後で、
「また、ちょっと説教がましい結論になってしまったかな」
と、内心後悔。
娘は表情も変えず、無言でしたが。
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