結婚生活に潜む危険因子・その2「侮辱・自己弁護・逃避」
昨日の記事「結婚生活に潜む危険因子・その1」の続きです。
結婚生活に潜む危険因子の残り3つは、
① 侮辱
② 自己弁護
③ 逃避
です。
「結婚生活を成功させる七つの原則
で紹介されている夫婦の対話の実例にそって見てみましょう。
昨日の記事で紹介した対話の続きです。
互いに当番を決めていた台所の床掃除を夫がサボったと言って、妻が咎めています。
★★★
夫「仕事から帰って疲れていたんだ。15分でも休ませてくれれば、ちゃんとやるつもりだった」
妻「じゃあ、15分休めば、あなたはすべてが解決すると思っているのね。笑わせるわ。(冷笑)」
夫「そうは思ってないよ。毎週、ぼくがすべき家事分担のリストを作ってくれれば、できるだけやるよ。そうだ、カレンダーに書き込んでくれよ。そうすればいつも目に入るから」
妻「じゃあ、あなたの電子手帳にあなたのすべきことを入れておくわね。(あざけりと、さらなる侮辱)」
夫「一日中、電子手帳を見てるわけじゃないんだけど。(自己弁護)」
妻「そう、カレンダーなら毎朝見るというのね」
夫「そうだよ。ぼくが忘れている時は、そう言ってくれよ。君が言ってくれないから、忘れてしまうことがあるんだ。君はいつも『これしなかったわね。あれもしなかったわね』と怒るだけだ。『どうしてしてくれないの』と優しく聞いてくれたことがあったかい。君の履歴書を作るので、遅くまでパソコンを打っていた夜もそうだった。どうしてぼくができなかったかを、君は考えてもくれない。いつもそうだ。(非難・自己弁護)」
妻「いつもじゃないわよ。(自己弁護)」
夫「いつもさ・・・ちょっと休もうよ。(修復の試み)」
妻「(皮肉を込めて)・・・ふふふ。休めば問題が解決すると思っているのね」
★★★
この会話のように、一方が非難と侮辱を連発すると、相手は自己弁護をしたくなります。
その自己弁護は、相手にさらなる非難と侮辱の言葉を生ませ、その結果、2人の距離はますます広がっていきます。
すると、ここに第4の危険因子「逃避」が入ってくるのです。
仕事で帰宅が遅くなった夫が、家に入るやいなや、妻の非難と侮辱の言葉で迎えられます。
夫は新聞で顔を隠して読むふりをし、妻の言葉を無視しようとします。
しかし、無視された妻の声はますます大きくなります。
すると、夫はついに耐えきれず、黙ったまま部屋を出て行くのです。
これは、妻との結婚生活を避けることであり、自分を妻から隔離することです。
夫ばかりではなく、妻も逃避することはありますが、夫(男性)が逃避する確率がかなり高いというのが研究結果から出ています。
上の会話の途中で「修復の試み」が一度出てきます。
これは険悪になっていく2人の関係をどこかで修復しようとする試みなのですが、上の2人の関係ではうまく機能しませんでした。
本書の著者であるゴットマン教授は、
「夫婦の間に “知的感情” による関係が築かれていない場合、この試みはうまく機能しにくい」
と指摘しています。
「知的感情」
とは一体どういうものか。
もう少し続きます。
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