結婚生活に潜む危険因子・その1「非難」
「結婚生活を成功させる七つの原則
著者のゴットマン氏は米国ワシントン州立大学の心理学教授。
夫婦と家族の問題について長年取り組んできた研究者です。
長年の研究の結果、ゴットマン教授は夫婦の会話を5分間聞いただけで、その夫婦が今後幸せな結婚生活を続けられるか、あるいは破局へと向かうかを言い当てることができるようになったと言います。
その的中率は、平均91%という高さ。
単なる直感ではありません。
膨大なデータに基づいた分析の結果からの推測です。
破局(離婚)へと確実に向かう夫婦の会話には、4つの共通要素があります。
一方、幸福な夫婦が(無意識のうちにも)実践している原則が7つです。
7つの原則の土台を、教授は、
「知的感情による結婚生活」
と呼んでいます。
さて今回はまず、破局へと向かわせる4つの要素について紹介しましょう。
① 非難
② 侮辱
③ 自己弁護
④ 逃避
どんなカウンセラーであれ、問題を抱えた夫婦から相談を受ければ、
「相互の意思疎通(コミュニケーション)を図りなさい」
ということです。
しかし問題は、いくら対話を試みても、下手をすると却ってお互いの心の溝を深める場合が多いことです。
上に挙げた4つが「対話の危険因子」あるいは「対話の毒素」です。
上の4つは毒の強さ順に並べてありますが、4つが循環しながら繰り返すことによって、事態は次第に難しくなっていきます。
① 非難は不満と違います。
不満は、配偶者があなたの期待に背いた場合だけ(つまり個別の事態にだけ)発せられるものです。
それに対して非難とは、その事態をきっかけにして、相手の性格、人格、能力まで傷つけてしまう、いわば言葉の武器です。
一例をあげましょう。
「昨日の夜、台所の床掃除をしてくれなかったわね。それで怒っているのよ。交代で掃除する約束だったでしょ」
これは、夫が約束通りに床掃除をしてくれなかったことへの個別的な不満です。
それに対して、
「あなたはどうしてそんなに忘れっぽいのよ。あなたの当番の日なのに、いつも私が床掃除するなんて嫌になるわよ。あなたは本当に無責任な男なんだから」
とまで言ってしまえば、これは非難になります。
「忘れっぽい」
「無責任な男」
これらは夫への中傷、人格攻撃というべきものです。
こういう危険因子が対話の最初5分以内に出てくるようであれば、この夫婦の行く末はかなり危ないと判断できるのです。
もちろん、仲の良い夫婦にもこういう対話がないわけではありません。
ただし、そういう夫婦には「修復の試み」(repair attempt)という手法がうまく機能する場合が多いのです。
その辺りのことは、残り3つの危険因子を紹介しながら考えてみることにします。
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