脳は人生の司令塔ではない
私が今、毎月1つのペースで作っている「書写だより」に読み物として載せた「脳の話」を、少し敷衍して再録しておきます。
50代も半ばを過ぎると、脳の働きが明らかに変わってきます。
ある内容を伝えようとして、頭の中にはその言葉があるようなのに、すぐに口から出ない。
それで言いあぐねて、
「この前のあれをね....」
などと、代名詞で相手に理解させようと試みることになります。
かくして、
「脳は年とともに衰える」
という通念が私の中で確認され、固定観念となります。
ところが、脳科学の最新の知見は、脳についてのイメージを随分大きく書き換えつつあるようです。
この分野の権威の一人である村上和雄先生のお話に基づいて、固定観念を少し揺さぶってみましょう。
「脳は身体の司令塔である」
という考えはかなり根深いものと思われます。
しかし私たちの身体、ひいては人生全般の真の司令塔は脳ではないと言うのです。
脳は一種の受信機に過ぎない。
電波の発信者が他にいるのです。
その発信者が「心」とか「意識」などと呼んでいるものです。
「心とは何か」と問うと、それも難しい問題ですが、取り敢えず、私の性相的側面ということにします。
この心がさまざまな電波を発信すると、それを脳が受信して身体の各部署に伝達する。
それを受けて、身体が動く。
ですから、心が「できる」と思うことは脳にもできるが、「できない」と思うことは絶対にできないのです。
意識の最終的な実現体である身体も否応なく年をとりますから、
「50代になっても20代のように動け」
といくら心が命じても、それは無理があるでしょう。
しかし、
「この夢は死ぬまでに必ずなそう」
という心を失わなければ、脳はそれを真に受けて身体に伝達してはくれるはずです。
年とともにかえって深みを増す精神的な活動や社会的なつながりなどが、脳の神経細胞に活力を与え、再配線が促されます。
脳の働きは決して固定的なものではなく、意識次第で作り替えが可能だというわけです。
心身医療の専門家、ディーパック・チョプラ博士は、病気における心と体の関係について、このように言っています。
慢性病は意識(心)が作り出している。
例えば、怒りや恨み、憎しみなどの感情を持つと、それが悪い遺伝子を活発にしてしまい、ガンや心臓病の原因となる炎症を引き起こす。
反対に、喜びや愛、他人の成功を喜ぶという感情を持つと、良い遺伝子が活発になり、身体は病気にかかりにくくなるばかりか、肉体年齢が若返る。
脳には心と身体と外界のバランスをとる自己制御装置があるので、これを上手に使うことによって願う通りの人生を築くことができる。
身体は脳を通して心の電波を受けて、それに反応します。
しかし、それなら心が身体の司令塔(主人)かというとそうでもなく、心の背後にはさらにその主人である方がおられるのです。
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