あなたが大統領ではあってはならない理由
本日5月3日付産経新聞に、
「大統領であってはならない理由」
というタイトルの記事が載っています。
旅客船「セウォル号」沈没事故以来、韓国国内では朴槿恵大統領の国家首班としての資質を鋭く問う論調が現れ始めています。
その中でも、ここ数日特に目を引くのが、大統領府(青瓦台)のホームページに掲載された書き込み「あなたが大統領ではあってはならない理由」というものです。
書き込みの主は、韓国の女性映画監督。
そのタイトルと内容の冷徹さが人目を引き、24時間後には閲覧回数が45万回を突破し、内容に同感だとするコメントも数百件に達したといいます。
この書き込みが言うところの「大統領としての不適格」とは何か。
その指摘のいくつかは以下のようなものです。
① 大統領は、自分がしなければならないことが何であるか、分かっていなかった。
大統領は、自身が遭難者の救助方法について悩む必要はない。
それはその任にふさわしい人を当てて、その人に任せれば良い。
大統領の役割は、適切な人材配置であり、現場で問題が生じた時には、その最終的な責任を負うことである。
② あのタイミングで現場視察に行くべきではなかった。
あの時、生存者に会ったり、遭難者の家族を慰めることは他の人でもできる。
あのような状況下で大統領が行けば、大統領への警護と説明のために、多くの人とエネルギーが余分に必要となるだけだ。
③ 「救助がなぜできない!」「責任者を厳罰に処する」などという怒号は、大統領が発するべきではない。
そんな怒号は、誰でも発することができる。
大統領がすべきことでは、まったくない。
このような指摘がいくつも、理路整然と並んでいるようですが、その中でも、最も本質的だと感じられるのが、次のような指摘です。
「下の人々はいつもリーダーが持つ価値観に影響される。突発的な状況では常に、リーダーが願うように行動するようになっている。それは、普段リーダーがどのような時に褒め、どのような時にしかり飛ばしたか、どのような時に心境が穏やかでどのようなときにそうでなかったかによって変わる。もしも、リーダーがいつも、人と生命に最優先の価値を置いている人ならば、下の人々はどんな状況でも、それ(生命の救出)を最優先で行動する」
どのような時に褒め、どのような時に叱るか。
どのような時に心が穏やかであり、どのような時にイラつくか。
どのようなものに最優先の価値をおいているか。
このようなリーダーの内容を、部下はいつも注意深く観察し、その観察結果に基づいて行動するというのです。
これは、独り朴大統領の問題ではありません。
あらゆる「組織」に適用される、深い洞察のように思われます。
今回は韓国の旅客船が沈没したのですが、あらゆる組織は「船」だとも言えます。
「家庭」という船と、父母という船長。
「会社」という船と、社長という船長。
「国家」という船と、大統領という船長。
最初は、誰よりも先に船から脱出した船長が非難され、今は国家の船長である大統領が非難されているのです。
これは、人ごとではありません。
私たちの多くは、家庭の船長でしょう。
私は一体何に、最優先の価値をおいて生活しているのか。
それを家族、子どもたちはいつもじっと見ています。
誰もが深刻な責任をもって生きているのです。
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