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まるくまーる(旧・教育部長の講義日記)

愛用品5原則

2010/02/21
読書三昧 5
愛用品

数年前に『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』を読んで以来、著者の武田邦彦氏は、私が注目する論客の1人となっています。

元来は生真面目な科学者のようですが、歯に衣着せぬ物言いや、素人にも分かりやすい話し方など、大衆受けするキャラクターの持ち主なので、テレビなどへの出演もよく目にします。

エコロジー的な取り組みや、地球温暖化阻止などは、今や世間の常識です。
これに対して、武田氏は一騎当千の勢いで真っ向から異を唱えています。
ところが、好感を持てるキャラクターが衆目を引きつけ、人々の関心を集めているようです。

環境問題は、①科学的側面、②経済的側面、③政治的側面など、多面的で複雑な問題が絡むので、簡単には扱えません。
私が武田氏に興味をもつ理由の一つは、それら複雑な問題の根底に、「心のあり方」をしっかりと持っていると感じられるところです。

例えば、上の著書でも、結局、大量消費意識を変換しない限り循環型社会の実現は幻想に過ぎないというのが最後の結論です。
そして、大量消費から逃れるにはどうしたらいいかという問いに対して、2つの答えを出しています。

① 自分の関心がものから心へと変わること
② 身の回りのものが「愛用品」に変わること

①の答えはよく目にするものですが、具体的にどうするかとなるとなかなか難しい。
私が面白いと思うのは、第2の答えです。

武田氏によると、「愛用品」とは次の五原則を持ったものです。

① 持っているものの数がもともと少ないこと
② 長く使えること
③ 手を焼かせること
④ 故障しても悪戦苦闘すれば自分で修理できること
⑤ 磨くと光ること、または磨きがいがあること

これらは明らかに大量生産品、大量消費の概念の対極にあるものです。
こういう要件を満たすものが、今の私たちの身の回りにどれほどあるでしょうか。
いまさら愛用品生活をすることも、我々には決して容易なことではないように思えます。

ただ、ものを使い捨ての対象と見る習慣を脱して、ものの中に潜む心を感じ取る習慣を取り戻すことはきわめて貴重なものだと思います。
この転換は、実に個人的でささやかなことのようにも見えます。
しかしこれは、ただ単なる環境問題に留まらず、ものが溢れて決して減りそうにはないこの時代に、私たちが本当の幸福感を見定めるのに役立つ効果的な方法の一つにはなりそうな気がします。

「ものにも心がある」
「ものと良い関係を作って、豊かに生きるにはどうしたらいいか」
などについては、下記の「お勧め記事」を参考にしてください。


【お勧め記事】
私、綺麗でしょう
カラスとの約束
トマトの心に学ぶ
神のもとの大家族



 
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Comments 5

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ミツル

ちょうど、今日、部屋の片付けをして、いるモノといらないモノを分けたので、とてもタイムリーな講義でした。
子供の頃「アニミズム」という言葉を知り、それから、モノにも魂が宿っているという考えが、私の中にはありました。
なので、少し高価だけれど気に入って買ったものを使い始める時には、一言声をかけてから使うようにしています。すると不思議なことに、長持ちをしたり、失くしても戻ってきてくれたりします。
昨今、「ファストファッション」がもてはやされていますが、今日、私がいらないモノとしたのは、ほとんどがこの安価な大量消費を目的として創られたモノでした。
いるモノとして残したのは、手入れに手間はかかるけれども、創った人の技も想いも込められている、何年も愛用しているモノです。まさに、教育部長さんの言われる通りですね。
不況だからといって、安価なものに飛びつくのではなく、少々高価でも何年も使い続けられる良いモノを選ぶことが、ゆくゆくはエコにつながって行くんでしょうね。
良いモノを見極められる賢い消費者に、モノを大切に使い続ける愛用者になることを、心がけたいと思います。
確かなモノを見分けられる目を養って、幸福感も見分けれるようになれると、いいんですけどね。

2010/02/22 (Mon) 01:24

教育部長

ミツルさんへ

使う最初に、ものに声をかけるというのは、とても良いことですね。
ホ・オポノポノでもそのようなことを言います。
ものが作られてくるまでに、いろいろな環境を通過しているので、その記憶をきれいに(ゼロに)する働きがあるようです。

2010/02/22 (Mon) 07:51

ドラミちゃん

袢纏

先日、同級生と話していると、中学時代から着ていたジャージを奥さんが捨てた、というのです。奥さんにしてみれば、撮った写真が、いつもそのジャージ姿であることが気になったようです。私は、中学時代、寒い寮生活の時に買ってもらった綿入りの袢纏(はんてん)を、35年経った今でも愛用しています。当然、磨耗したり穴が開いたりしたので、繕ったり、大きい当て布でカバーしていますが、布団のように暖かく、お尻まで隠れて、袖は手作業しやすい短めで・・、雪の多い田舎に嫁いだ私には欠かせません。「私達は昔からエコだったんだね」と。

2010/02/22 (Mon) 20:29

教育部長

Re: 袢纏

35年の袢纏とはスゴイですね。
私は、時に、ものを捨てすぎて、後で後悔することもあります。

2010/02/22 (Mon) 22:05

日韓太郎

愛用品

愛する人からもらったものなど、
捨てるに捨てられず持っているものや、
今も、活用しているものはありますね。。。

環境問題の主人は、人間でしょう。。。
人間の心が、主人に相応しく、管理できる心を持つ・・・
内外共に、問題を解決する主管力を持つべきなので、
根本からの人間革命が、必要だと思います。。。
存在の根拠であり、人間の親である神様の愛を、
すべての人間は所有して、
生まれ変わるべきではないかと思います。。。

ありがとうございました・・・m()m

2010/02/24 (Wed) 21:56