社員が幸せなら会社は儲かる
社員が元気で業績を上げていると注目されている未来工業の創業者、山田昭男氏。
「社員が幸せなら会社は儲かる」
というタイトルの講演会がありました。
儲かる会社を作ろうとすれば、儲かっていない会社の反対のことをすればいいだろう。
そういうユニークな(しかし考えてみれば、至極まっとうな)発想で、今の会社のシステムを作ったそうです。
① 報告、相談、連絡の「ほうれんそう」を禁止。 ② 成果主義、ノルマ主義を廃し、残業を禁止。 ③ 育児休暇は3年を確保。 ④ 年間休日140日、年間勤務時間1600時間。 ⑤ 定年は70歳。 ⑥ 社員800人は全員が正社員。 |
などなど。
実際に働いて利益を出すのは、社長ではなく社員です。
その社員が喜んで働きたくなる仕事環境を作るのが社長の役目。
そのように考えて作り上げたのが、上のようなシステムです。
社員が嬉しい第一の条件は、言うまでもなく「給与」の額です。
中小企業では破格の高給を出すわけにはいかないが、他と比べてもそこそこという額は出すように努力しなければならない。
それで、65歳平社員の年間平均給与が700万円。
60歳や65歳で定年とし、再雇用して給与を半減するというような方法を取らず、初めから定年を70歳にする。
社長は自分のお金で車を買う。
社員はみな自分のお金でマイカーを買っているのに、一番給料の高い社長が会社のお金で車を買えば、「コストを下げろ」という方針と矛盾する。
社員のモチベーションが下がります。
「コストが下がる」
という理由で、多くの企業がパートや派遣を使います。
しかし、仕事内容は同じなのに、給料は正社員の半分、ボーナスは10%、その上、辞めても退職金も出ない。
これではパート社員が正社員と同じように働く気になるはずがありません。
それで、社員は全員、正社員としているのです。
休日も多い。
年末年始は24日間も休みになる。
それで、その間に繁忙期の温泉街でアルバイトをする社員もいるのです。
アルバイトも、原則禁止しない。
休みに何をするかは社員の自由なのに、その自由を奪って社員は労働意欲を高めるだろうか。
アルバイトに行けば、小遣いが入りますから、社員は喜びます。
それで、社員には「アルバイトに行け行け」と薦めているというのです。
日本は戦後23年目に、世界第2位の経済大国になりました。
その頃には、成果主義もなく、ノルマ主義もありませんでした。
あったのは、年功序列主義と終身雇用制度です。
パートや派遣などもありませんでした。
それなのに、20年前からパートや派遣を増やし、成果主義を導入した会社がどれくらい業績を挙げたのか?
ほとんどダメになっているのに、誰もそれを真剣に反省していないと、山田氏は言うのです。
確かに、ウォークマンの大ヒットで世界を席巻した栄光のソニーも、その後、成果主義を導入することで、企業の体質が変わったとも言われます。
山田氏の発想は面白いですね。
若い頃の演劇体験が下地になっているとの分析もあります。
上から強制的にノルマを課さず、より大きな自由を与えるというやり方。
余暇を楽しみ、働く時は集中して働く。
これは、自主性を求める人間の創造本性を刺激するので、意欲を引き出すのだろうと思います。
これからの時代のモデルを見るような気がします。
よろしければ1クリック!

にほんブログ村
【おすすめ記事】
- 関連記事
-
-
おバカは体全体で生きている 2019/01/06
-
二度の漢字放逐運動を生き残る 2022/02/05
-
行き詰まる婚活パーティ 2014/03/16
-
美しいものは正しい 2022/01/12
-
スポンサーサイト