電波で通じた父娘の対話
女子テニス部の部長になった中2の娘が、今夜は何だか元気がありません。
私が帰って「ただいま」と声をかけても、素っ気ない。
勉強机に向かってはいるものの、ときどき覗くと机に顔を伏せている。
どうしたのかなと思っていると、風呂から上がってやって来て、
「今日、さ◯りとケンカしたの」
と言います。
さ◯りというのは、娘と一番の親友で、かつ、同じ部の副部長です。
中学校では、次の日曜日が体育祭。
女子テニス部でもパフォーマンスをするので、何回か練習をしました。
娘は少し心配で「もう1回しよう」と言ったところ、副部長のさ◯りがめんどくさがって非協力的。
娘が少し強く言うと、はぶててしまい、きまずい雰囲気になったので、娘は自分は悪くないとは思いながらも、
「ごめん」
と謝ったのです。
「さ◯りはすぐにはぶてるので、いつも私から謝るのよ」
と、娘は不満気です。
「部長は責任があって大変だけど、副部長というのも、意外と難しい立場かもね。2番目の立場というのは寂しいこともあるし。カインのような立場だからね。人の気持ちというのはなかなか分からないものだよ」
などと、私は少しさ◯りを弁護するようなことも言いながら、
「もしかして、さ◯りも今頃『あの時、謝っておけばよかったな』って思っているかもね」
と言うと、娘は、
「そんなこと、絶対ない!」
と断言。
会話もそこで一旦終止符を打ったので、私は台所へ行ってジュースを一杯。
すると娘が携帯電話を手に持ち、驚いたような風情でやって来ました。
「ねえねえ、お父さん、これ見て見て」
一瞬、私に直感が走った通り、それはさ◯りからのメールでした。
「そのとき謝ればよかったのに、すぐに謝れないタイプ。ごめんね・・」
我々親子の対話が電波で伝わっていたかのような内容とタイミングです。
これには、私も驚きました。
娘の悩みはムダではなく、それを真剣に話し合った私たち親子の対話もムダではなかった、ということを神様が教えてくださったような気がした体験です。
これで本番のパフォーマンスはうまくいくだろうと思います。
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よかったですね。
娘さんが、自分が悪くないと思っても、気持ちを抑えて自分から謝る姿勢が素晴らしいと思います。部長としての責任感も強いですね。ここにもアベル カインがあるように、私達大人も参考にしなければなりませんね。